中国の不動産テックスタートアップFangdd(房多多)、1億5,000万米ドルを調達すべく米IPO申請——中国企業の米IPO禁止が検討されるなか

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Image credit: Fangdd(房多多)

中国のオンライン不動産マーケットプレイス「Fangdd(房多多)」は9日、1億5,000万米ドルを調達すべくアメリカ証券取引委員会に新規株式公開(IPO)の申請を行った。

重要視すべき理由:Fangdd の今回の IPO 申請は、国内消費の落ち込みに対抗するために中国のテック業界が B2C から B2B のサービスに転換しようとしていることを示している。

  • アメリカ政府は中国企業のアメリカ株式市場への上場禁止を検討している。
  • 市場調査機関 Frost & Sullivan によると、中国の居住用不動産市場の規模は2023年には33兆4,000億人民元(約512兆円)に達すると見込まれており、2018年からの年平均成長率は9.2%となっている。
  • 中国の巨大な居住用不動産市場ではテクノロジーが重要な要素になってきており、Lianjia(鍵家)、Fang Holdings Limited(房天下)、58.com(58同城)のような不動産テック企業も多数生まれている。

詳細情報:Fangdd は IPO で調達した資金を研究開発の強化や、テクノロジーとセールス、マーケティング、ブランド構築への投資に使うとともに、運転資金や一般の企業目的にも使用する予定。

  • Frost & Sullivan によると、2018年12月31日時点で Fangdd に登録している不動産業者の数は91万1,000以上になる(中国全土の不動産業者数は約200万社)。
  • Fangdd の目論見書によると、同社の主な収入源は歩合制の取引手数料、イノベーション活動、マーケットプレイス関連の取引などから来る付加価値サービスだ。
  • Fangdd の今年第2四半期の収益は、前年比で55.4%上昇して16億人民元となっている。

背景:2011年に深圳で設立された Fangdd は SaaS ベースのソリューションを中国の不動産業者に提供する企業だ。同社のソリューションでは顧客や物件の掲載、資本、取引データを管理して従来の非ネット系不動産サービス市場の非効率性を解消することができる。

  • Fangdd は2014年3月に自社の変動持分事業体(VIE)を統合している。これは中国の内国法人を国際資本市場に上場させるための手段の1つだ。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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