Tencent(騰訊)とソフトバンクが支援する中国のオンライン住宅プラットフォーム「Beike(貝殼)」は、10〜20億米ドルの資金調達が可能なアメリカ上場に向けた準備を進めていると報じられている。
重要視すべき理由:Beike のアメリカの取引所への上場申請は、中国のテック企業の間で、米中間の緊張が深まっていることや、Luckin Coffee(瑞幸咖啡)が不正行為を認めたことの余波を受けて、中国国内上場に転じる傾向を逆手に取っている。
- 10億米ドル余りの株式を売り出す可能性があるため、Beike は今年最大規模のテック系 IPO の一つになる可能性がある。
- 中国の住宅市場には、リスクの高いモデルを使用している企業が横行している。
詳細情報:北京を拠点とする Beike は、早ければ第3四半期にもアメリカ上場に向けてモルガン・スタンレーを含む有力投資家と協議中であると、AllWeather TMT(全天候科技)が報じた。
- Beike は今年の収益が2倍になると予想しており、2019年には黒字化したと報じられていた。
- この取引に詳しいプライベート・エクイティ投資家を引用した AllWeather TMT の報道によると、Beike の140億米ドルと高い評価額に対して利益が薄いことから投資家を落胆させる可能性があるという。
- Beike はすでに米証券取引委員会に対し、秘密裏に NASDAQ への上場申請を行っている。ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーが申請を主導していると Nikkei Asian Review が報じている。
- Beike は6日コメントを辞退したが、3日には地元メディアに対し、現時点で IPO のタイムテーブルは無いと語っていた。
背景:Beike は、ユーザが物件を探すのに役立つオンラインリスティングプラットフォームで、中国の不動産仲介会社である Lianjia(またの名前を HomeLink、鍵家)のスピンオフである。今年4月の時点でオフライン店舗4万軒以上を運営する、110都市37万人以上の不動産エージェントがこのプラットフォームを利用している。
- Beike は今年3月、ソフトバンクビジョンファンドが率いるコンソーシアムからシリーズ D+ ラウンドで24億米ドルを調達した。2019年7月には、Tencent がリードしたシリーズ D ラウンドで、100億米ドルの評価額に対し12億米ドルを調達した。
- Beike のライバルである Fangdd(房多多)は、昨年11月にアメリカで実施した IPO での調達規模を当初予定から7,800万米ドルに規模縮小した。
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