2割が「医療提供拒否」の経験、トランスジェンダーの人々に医療ケアを提供するPlume

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画像出典:Plume

ピックアップ:Plume is building a healthcare service specifically for the transgender community

ニュースサマリ:トランスジェンダーの人々に特化した医療相談やホルモン補充療法を提供するPlumeは、米国のベンチャーキャピタルであるGeneral CatalystとSlow Venturesからの290万米ドルの資金調達を完了した。Springbank Collectiveも同社に出資している。

重要なポイント:同社によると、これまで米国においてトランスジェンダーの患者は差別的な慣行にさらされており、患者の約20%が医療提供を拒否される・嫌がらせを受けるといった経験があるという。

詳細情報:Plumeは2019年にコロラド州・デンバーを拠点に設立。トランスジェンダーの患者が、医師との相談や個別の治療計画の作成、処方箋の受け取りなどをすべてアプリから行える包括的な医療ケアサービスを提供する。

  • 現在はカリフォルニア州、ニューヨーク州、フロリダ州、テキサス州、コロラド州、ノースカロライナ州、バージニア州、オレゴン州、メイン州、マサチューセッツ州の10州でサービスを提供している。
  • 同社は、Matthew Wetschler氏およびJerrica Kirkley氏の2人の医師によって設立された。Kirkley氏自身もトランスジェンダーであり、Plumeのスタッフ計20人のうち大半はトランスジェンダーだという。
  • アメリカでは140万人以上の人々がトランスジェンダーと名乗っているが、Wetschler氏によると「ジェネレーションZは、団塊世代の5倍以上の確率でトランスと名乗るようになっている」という。

背景:2020年6月12日、アメリカ政府は医療従事者などに対し、LGBTQ+の人に対する医療サービス提供の拒否を認める規則を決定した。さらに、米国で広がる人種差別問題の反対運動において、警官に銃殺された1人が黒人のトランスジェンダーであったことから、「Black Trans Lives Matter」の動きも拡大している。こうした背景の下、今回Plumeに資金を提供したGeneral Catalystのパートナー・Olivia Lew氏は「この会社が切実に必要とされている認識が高まった」と述べている。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:岩切絹代

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