急激に高まるフードデリバリ事業への期待:Instacartの評価額は約1.5兆円に【報道】

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ピックアップ:Scoop: Instacart raises another $100 million

ニュースサマリ:フードデリバリ・スタートアップのInstacartがまた新たな調達を完了させたらしい。Axiosが今月3日に伝えた内容によれば、同社は追加で1億ドルの資金調達に成功している。これは先月に公表されている2億2500万ドルに続くもので、報道によると、評価額は前回の137億ドルから1億ドル追加した138億ドル(円で約1.48兆円)になるとしている。出資したのはT. Rowe Priceで、2012年に創業した同社のこれまでの調達額は21億ドル。今回の増資で22億ドルとなった。

話題のポイント:感染症拡大の結果、ビジネスについては極端なまでの明暗が分かれる事態になっていますが、デリバリー関連は概ね「明」の方と言えるでしょう。フードデリバリ系のスタートアップとしては「DoorDash(評価額1600億ドル)」「Go-Jek(評価額1000億ドル)」「Postmates(評価額24億ドル)」「Deliveroo(評価額20億ドル)」などがユニコーンクラブに顔を連ねている激戦区になっています(※評価額はすべてCB Insightsから)。

今回、大型調達の話題があったInstacartは2012年創業の古株で、CB Insightsのリストではまだ評価額は76億ドルのままですが、今回の増資で一気に倍近く、カテゴリトップのDoor Dashとの差を詰めたことになります。

Axiosも伝えているのですが、カバー率がすごくて米国50州で85%以上の世帯、カナダの70%以上の世帯で利用可能だそうです。確かに感染症拡大でレストランに行きづらい状況であれば、もうデリバリーしか方法はありませんし、一般的な荷物の配達とは異なるのでここ一択となります。

当然、このビジネスチャンスに各社も動いており、先月末にはUberがこのカテゴリで上位に着けているPostmatesに買収のオファーを出したと報じられています。New York Timesが伝えている内容によると同社は26億ドルで打診をしているそうで、決まればGrubhubを買えなかったUberにとっては大きな勢力拡大の一手となりそうです。

参考記事:米フードデリバリのGrubhub、欧州同業のJust Eat Takeawayが73億米ドルで買収へ——独禁法抵触の懸念からUberはGrubhub買収を断念

日本では LINE が今年3月、出前館に300億円を出資し株式約22%を取得した。LINE デリマと出前館のブランドが統合されるとの公算が高い。ロシアでは2017年、Uber の Yandex(Яндекс)への統合に伴い、フードデリバリ UberEats は Yandex Eda(Яндекс.Еда)へと統合された。韓国の「配達の民族(배달의민족)」と「ヨギヨ(요기요)」は共にベルリンの Delivery Hero 傘下となり事実上経営は統合。中国の Baidu(百度)は2017年、傘下のフードデリバリ「Waimai(百度外売)」を Alibaba (阿里巴巴)傘下の「Ele.me(餓了麼)」に売却した

それ以外にも上記の参考記事にあるとおり、各国でフードデリバリについては統合などが続いており、コロナ禍をきっかけに一気にこのカテゴリのビジネスが進むことになりそうです。

2013年から14年頃は国内でもInstacartなどをコピーしたスタートアップがいくつか立ち上がりましたが、残念ながらどれもうまく立ち上がらず撤退した経緯があります。スタートアップというのはタイミングなのだなと思わせる事例です。

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