非SLAM屋内型ドローン自律飛行システム開発のSpiral、シードラウンドで資金調達——テックアクセル、MIRAISE、静岡キャピタルから

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左から:テックアクセルベンチャーズ アソシエイト 萩沢巧氏、テックアクセルベンチャーズ投資パートナー 大場正利氏、Spiral 代表取締役 CEO 石川知寛氏、Spiral 取締役 COO 濱地健史氏、MIRAISE Partner & CEO 岩田真一氏、MIRAISE CTO 布田隆介氏
Image credit: Spiral

屋内に特化したドローン自律飛行システム「MarkFlex Air」を開発する Spiral は14日、シードラウンドで資金調達したと発表した。このラウンドには、テックアクセルベンチャーズ、MIRAISE、静岡キャピタルが参加した。調達金額は開示されていないが数千万円程度と見られる。Spiral にとっては、2018年7月に実施した 01Booster からの調達に続くものだ。

屋内での利用を想定したドローンは位置情報把握のために GPS を使えないため、自律飛行のために SLAM(Simultaneous Localization and Mapping、ドローンに備えた各種センサーからの情報を元に、自己位置推定と環境の地図作成を行う技術)がしばしば採用されている。しかし、SLAM は技術が複雑化するため、産業分野ではコストの高さがボトルネックとなる。

Spiral が開発するソリューションは、SLAM の代わりに QR コードのマーカーを各所に配置することで、ドローンの自律飛行を実現するものだ。ドローンは自己位置の確認にはマーカーが認識できるセンサーさえあればよいため、ドローンのハードウェアやソフトウェアのコストを圧倒的に下げることができる。

童話のヘンゼルとグレーテルに出てくるパンくずの要領で、ドローンにマーカーを次々と追わせて移動させていく仕組み。(代表取締役 CEO の石川知寛氏)

産業用ドローンを応用できる分野は多岐にわたるが、Spiral ではとりわけ建築・土木分野での利用にフォーカスしている。当初は物流業界での採用も視野に入れていたようだが、作業時の移動距離が長かったり、作業代替する人のコストが安くなかったりすることから、建築・土木分野の方が事業ベースに載せやすいと判断。最近では、竹中工務店と共同開発契約を締結しオフィスビルの建設に役立てたり、大手ゼネコンとトンネル建設時の進捗管理で協業したりしている。

同社では今後、システムインテグレーター、センシング、光学系などのソリューション企業とのパートナー開拓とアライアンス構築を強化し、シンガポール、ドバイ、ルクセンブルクなどを経由して世界展開にも注力したいとしている。

Spiral は2018年、ドバイのスタートアップカンファレンス GITEX Future Stars に出展、昨年はフランスのテックカンファレンス「VIVA TECHNOLOGY」出展支援プログラムに採択された

Spiral のメンバー
Image credit: Spiral

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