パンデミックにより利用者が急増したベトナムeコマース事情と4大プラットフォーム

ピックアップ:Vietnam targets e-commerce turnover reaching $35 billion by 2025

詳細な情報:新型コロナウイルスの流行によりロックダウンなどの行動制限が課せられた多くの国で、キャッシュレス決済とeコマースの普及が進むといわれている。中でも顕著だったのがベトナムで、特に生鮮食品のオンライン販売のトラフィックは2020年前半に42%も増加した。同国内では東南アジア諸国でサービスを展開するShopeeLazada、ベトナム国内企業のTikiSendoが4大eコマースプラットフォームとなっている。各プラットフォーマーの特徴は下記の通り。

  • Shopee:シンガポール拠点でマレーシア、タイ、台湾、インドネシア、ベトナム、フィリピン、ブラジルでサービスを展開している。東南アジアで最も人気のあるeコマースプラットフォームといわれ、ベトナムでも2019年から現在まで訪問者数トップを誇る。
  • Lazada:シンガポール拠点でインドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムでサービスを展開している。東南アジア各国でShopeeと人気を二分しており、現在はAlibaba(阿里馬場)傘下。ベトナム国内での人気はShopeeの方が優勢で、2019年から現在までLazadaの訪問者数は3位~5位を位置している
  • Sendo:2014年にサービスを開始したベトナムのソフトウェアコングロマリットFPT Corporationの子会社が運営するプラットフォーム。SBIグループや大和PIパートナーズなどがこれまでに資金提供を行っている。訪問者数は2019年第3四半期にShopeeに次ぐ2位となった。
  • Tiki:12のカテゴリ30万アイテム以上の商品を扱うB2Cプラットフォーム。サイバーエージェント・キャピタルや住友商事、中国のJD.com(京東商城)がこれまでに資金提供を行っている。2020年前半期の訪問者数第3位

ロックダウン中の利用者に生鮮食品の需要が高いことが判明している。そのため、4月中旬ごろにLazadaは注文から2時間以内に生鮮食品を配達するサービスを開始し、その1カ月後にはTikiも3時間以内での食料品配達サービスを開始した。ユーザーの需要に素早く対応できたことが周辺他国より利用者が急増した理由の一つと考えられる。

これらB2C向けプラットフォームに加え、小売業者の市場参入を支援する国内スタートアップ企業が以前から徐々に成長を続けていることで、ベトナム独自の大きなコマース・エコシステムが築かれつつある。

  • KiotViet:在庫・売り上げ管理、マーケティングツールやモバイルPOSなどクラウドベースのソフトウェアをレストラン、食料品店、ドラッグストア、スーパーマーケットなどに提供し、中小企業のデジタル化を支援する。ベトナム国内63省7万を超える中小企業に利用されている。
  • Buy2Sell:輸入製品のサプライチェーンで、12万以上のベトナムの卸売業者と小売業者に輸入製品を提供する物流プラットフォームを運営している。
  • Loship:2017年、ベトナムに設立されたLoshipはフードデリバリーや生鮮食品・医薬品の配達や配車サービスを4都市約150万人の顧客に提供している。今後はeウォレットの開発なども予定しており、東南アジアのGrabやインドネシアのGojekのような企業を目指している。これらの企業とLoshipが異なる点は、Lo-supplyというB2B向けの小売サプライチェーンも行っているところにある。ラストマイル配送に力を入れ5万人を超えるドライバーを抱えており、2019年にLo-supply加盟店は9万店を超え、Loshipの純利益の30%をLo-supplyの収益が占めるまでとなり、本事業が同社の中核をなしている。

背景:こういったB2B業者の存在が小規模小売業者のオンライン市場への参入ハードルを下げることで、ベトナムのB2Cコマース市場は今後さらに活況となっていく事が予想される。iPrice Groupと分析会社App Annieによるレポートによると、ベトナムでのショッピングアプリへの総訪問数は、第2四半期で過去最大の127億人に達し、成長率は43%、多くの東南アジア諸国を上回る数字となっている。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代・増渕大志