東南アジア版「価格コム」iPrice、EC急成長中のフィリピンで拡大目指すーーLINE Venturesなどが出資

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ピックアップ:PH-based JG Digital invests in e-commerce aggregator iPrice Group

ニュースサマリ:東南アジア7カ国で事業を展開するeコマースアグリゲーターiPriceグループは9月、今年3月に実施したシリーズBの追加ラウンドとして新たに資金調達を実施したと発表した。具体的な調達額は発表されていない。リード投資家にはJG Summit Holdings, Inc. 傘下のベンチャーキャピタル JGDEV(JG Digital Equity Ventures)が参加している。

前回のACA Investmentsがリードした調達ではLINE Venturesや大和PIパートナーズが参加しており、1,000万ドル規模の資金を調達していた。同社の資金調達総額は、前回のシリーズBラウンドまでで約1,980万ドルに達している。同社は調達した資金を用いてキャッシュレス決済とともにeコマース利用が急速に普及するフィリピンでの事業拡大を目指す。

詳細な情報:2014年にマレーシアのクアラルンプールを拠点に設立されたiPriceの主要なサービスとなっているのはeコマース向け価格比較プラットフォームだ。欲しい商品を検索すると国内の提携ECサイトそれぞれでの販売価格を一覧で確認することが可能。その後ユーザーがiPriceから各サイトに飛び決済を完了することで当該サイトから収益を得る仕組みとなっている。

  • これまで、フィリピンにおけるEC利用率は2%程度に過ぎず、東南アジア諸国の中でも普及率は下位の方に位置していた。しかし、新型コロナウイルスの流行により同国政府が長期間に及ぶ厳格なロックダウン政策を実施したことで、キャッシュレス決済の急速な普及が進むとともにECの利用者も急増した。
  • BusinessWorldによれば、フィリピンのインターネットユーザーの91%がロックダウン期間中にオンラインで販売されている商品やサービスを検索し、そのうちの76%が実際に購入に至ったとしている。
  • 今回の資金調達によりiPriceはJGDEVの支援を受け、Robinsons Rewards(フィリピンでチェーン展開を行なうスーパーマーケットのRobinsonグループが提供するポイントカードアプリ)や同グループのウェブメディアPEP.ph といった地元企業とのパートナーシップをすでに締結済み。 今後もJG Summitグループのエコシステムとのさらなるパートナーシップ締結の機会を模索していく予定。

背景:iPriceは現在マレーシア、シンガポール、インドネシア、タイ、フィリピン、ベトナム、香港で事業を展開している。プラットフォーム全体には、50億点にものぼる商品が登録され、毎月約3,000万人以上のユーザーが利用、新型コロナウイルスの流行以降には利用者が急増し、トラフィックは最大で60%増加した。

執筆:椛澤かおり/編集:岩切絹代・増渕大志