Uberが車内コンビニサービス提携強化へーー自動運転社会のAmazonを目指す、次の一手は乗客の購買データ獲得か

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ピックアップ: Uber now gives passengers ride credits for buying stuff through Cargo’s in-car commerce platform

ニュースサマリ:7月17日、配車コマーススタートアップ「Cargo」がモバイルマーケットアプリ「Cargo Store」の公式立ち上げを発表。Cargoは配車サービス中に飲食料品や家電、美容品を購入できるプラットフォーム。2016年ニューヨークで創業し、累計調達額は2,940万ドル。

ドライバーは無料で専用ボックスと一緒に商品を取り寄せて乗客に販売する。商品購入が発生した時点でコミッションを収益として確保できる。これまでは簡単な飲食料品のみを提供していたが、同日から商材カテゴリーを増やす。加えてUberのサービス利用に使えるポイントバックキャンペーンを展開する。

Cargo Storeは配車サービス中にのみ利用できる。購入したい商品がある場合、備え付けのCargo BoxにQRコードを読み込ませ、PayPalやGoogle Payなどで支払いを済ませる。家電などの大型もしくは高級商品は後日乗客の住所へ配達される仕組み。

毎日数種類ほど高ポイントバック商品が売りに出される。たとえばAmazon EchoやNintendo Switchが挙げられる。配車中にのみ利用できるバーゲン体験を提供し、高いポイント還元でUberの利用率を高める考えだ。

また、高価格帯商品の販売にまで手を伸ばしたことでドラバイバー収益率がさらに高まる。昨今、UberやLyftの低賃金が大きな問題となっているが、Cargoはこうした問題解決を目指す。

Cargoは昨年Uberと公式パートナー契約を結んでおり、現在はUber特化型のサービスとして成長している。

話題のポイント: 今回のUberの動きの先に見えるのは自動運転社会です。なかでも自動運転車が普及したモビリティ社会における小売市場の覇権を握ろうとしている考えが伺えます。

同社会で利用される配車サービスにドライバーは同乗しません。その代わり、各自動車には顧客のパーソナルデータに沿って最適化されたサービスや商品が搭載されています。

配車サービスが小売店舗の役割を代替し、「店舗が顧客の元へやってくる」時代が到来するのです。たとえば空港へ向かう配車予約が入った場合、旅行グッズを載せた自動車が手配される具合です。(トヨタ自動車が非常に理解しやすいコンセプト動画を発表しているのでこちらからご覧ください)

顧客の購買意欲をそそるため、各乗客に最適化させた商品やサービスを載せた配車サービスが主流となる未来が到来するでしょう。本記事ではこの考えを「パーソナライズ配車」と呼びます。まさにCargoの車内コンビニはこの点を満足させる最初の一手となると考えます。

パーソナライズ配車を実現するためには2つの条件を満たす必要があります。自動運転の技術の確立と乗客のパーソナライズ購買データ構築のシステム導入です。

すでに前者の技術確立には多額の投資をしているUber。今回紹介したニュースは後者に当たる乗客データ獲得と商品最適化をさせるための長期戦略の一貫と見て良いと考えます。

現在Cargoは今回の商材カテゴリー拡大により乗客の購買データ収集接点を拡大。しばらくはUberのポイント還元をインセンティブに高価格品や大型商品を販売し、送客増加やドライバーの収益増加ツールとして利用されるでしょう。

しかし十分な活用価値が検証された際は本格的にUberとCargoの顧客データ連携が始まると予想されます。Uberが保有する乗車データとCargoの販売データ連携が実現すると感じます。

乗客/顧客データ連携が達成されれば「どの顧客が、どの配車ルート・時間に、どの商品を購入したか」を知ることができます。こうした乗客の購買趣向を知ることはパーソナライズ配車には必要不可欠な要素。

従来の小売企業が保有するデータとは違い、配車体験中の購買データは非常にユニークなもので他者には獲得できないものでしょう。Amazonですら手にできない特殊データと言えます。

先述したパーソナライズ配車の骨組みとなるのはデータです。繰り返しになりますが各乗客に最適化したサービスや商品を手配するには購買データ獲得が最低条件になります。そのため、乗車体験と小売販売データが紐づかせることで初めて次世代モビリティ社会の小売市場への布石が打たれるのです。

いづれせによ、自動運転車が走り回る世界における小売体験はAmazonも未だ戦略上参入できていない領域。Uberが次世代の小売体験を提供できる点には大きな可能性があります。UberとCargoの関係強化の流れは5-10年後の自動運転社会の購買体験を広げるための一手と考えて良いでしょう。

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