
家具のサブスクリプションサービス「subsclife(サブスクライフ)」を運営する subsclife は20日、アウトレット・リユース家具の会員制マーケット「subsclife SHARE(サブスクライフシェア)」をローンチした。メーカーアウトレット家具、展示家具、リユース家具などを企業間で売買できる。取扱家具は、チェアやテーブルをはじめ、ソファ、ラグ等。
同社は 家具スタートアップ KAMARQ HOLDINGS の共同創業者の一人である町野健氏が、2018年3月に家具のサブスクリプションサービスとしてβリリースさせたサービスが原型。サブスクリプションサービスの急成長から、新法人 subsclife としてスタートした。現在では、家具メーカーとの連携により、約400ブランド10万種の家具を取り扱っている。
規模の急拡大からオフィス構成に柔軟さを求めるスタートアップ、コロナ禍で先行きが見通せない中で什器を購入からレンタルに切り替える企業など、家具サブスクの法人需要は一気に加速している。「買う」から「借りる」へのシフトの中で課題になってくるのは、借りる期間が終了した後の家具の行方だ。
ユーザにとっては、不要になった家具は subsclife に返すだけでいいので、廃棄にかかるコストはかからない。では、subsclife は戻ってきた家具をどうするのかというと、サステナビリティ向上を謳う同社としては、メーカーの新たな売上に貢献するためにも、家具を清掃して別のユーザに貸し出しするようなことはしておらず、また、また環境面からも使える家具を破棄するようなこともしていない。
どうしているのかについては、先日 CyberAgent Capital Insight に掲載された、subsclife 代表取締役の町野健氏のインタビューにその答えがあった。
ーー家具は買うモノから借りるモノになっていくのか?
最近の豪雨災害も人災の色が強い。「スクラップアンドビルド」 から「ストックアンドフォロー」への流れは家具の世界にも来るだろうし、いいモノを長く使ってもらえる文化は伸びると考えている。家具 SPA の旗手である IKEA もこのままではダメだということで家具のサブスクモデル(Rent the Runway)を始めた。この文化が浸透していくには5年や10年はかかるかもしれないが、若者ほど商品を廃棄しないモデルが響くようになりつつある。
subsclife でももちろん廃棄はしていない。家具メーカーに(仕入れ時に)お金が回っていく仕組みを作る必要があるため、サブスクで貸し出している家具は全て新品だが、サブスクが終わって戻ってきた商品は、現在のところ、二次流通業者(中古買取)に売却している。subsclife のサービス開始から2年以上が経ちユーザも増えてきたので、将来はサブスクから戻ってきた家具の一定量を subsclife の中で回す、ということも可能になるかもしれない。
今回の subsclife SHARE は、町野氏が言う「サブスクから戻ってきた家具の一定量を subsclife の中で回す」構想を実現するための布石とみることができるだろう。
subsclife SHARE では、家具メーカーは余剰在庫を直接出品することで廃棄を削減でき、法人ユーザはアウトレット・リユース価格で質の高い家具を購入できる。また家具メーカーに対しては、二次流通であっても収益を得られるよう、subsclife SHARE での一部収益を「連帯貢献金制度」として還元し、メーカーと共に「いいものを長く使う社会づくり(同社声明)」を目指すとしている。
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