関西の〝インカレスタートアップ〟TADAGENIC、献立提案AIアプリ「レキピオ」をリリース——F Venturesや伊藤将雄氏から約1,000万円を調達

SHARE:
Recipio
Image credit: TADAGENIC

同志社大学、京都大学、大阪大学など関西の学生のみで構成されたスタートアップ TADAGENIC は24日、AI チャットボットを活用した献立提案アプリ「レキピオ」を正式リリースした。iOS で利用できる(Android 用は開発中)。また同社はこれとあわせ、シードラウンドで約1,000万円を資金調達したことを発表した。このラウンドに参加したのは、F Ventures やユーザローカル代表取締役社長の伊藤将雄氏など。

レキピオは、家にある食材と調味料を登録し、ユーザがチャットボットに好みを伝えるだけで、AI がぴったりの献立を提案してくれるアプリだ。TADEGENIC の代表を務める平塚登馬氏は、料理好きが高じてイタリア料理店で調理経験を積んだことのある人物だが、彼の母が入院した際に家事として料理を作り続ける大変さを身をもって経験し、主婦の献立選びを支援するアプリの発想に至った。

Recipio
Image credit: TADAGENIC

レキピオに利用されているレシピは、料理教室大手で「レシピサーチ」などを提供するベターホームが公開しているものを採用。レキピオの AI は、ユーザが過去に選んで食べたものを機械学習し、チャットボットとのやりとり以外の機会も通じてユーザの料理に対する好みを推測するほか、直近で作ったばかりの料理は続けて提案されないよう工夫が施されているという。

レシピというバーティカルをふまえ、「kurashiru(クラシル)」や「DELISH KITCHEN(デリッシュ・キッチン)」などが牽引する動画レシピへの参入に興味が無いかと平塚氏に尋ねたところ、レキピオでは提供するレシピのコンテンツ形式よりも、レシピにたどりつく動線の最適化を第一目標に掲げているのだという。将来的には、広告挿入などによるマネタイズを考えているようだ。

TADAGENIC のチームは今月16日、マイクロソフトの学生アプリコンテスト「Imagine Cup 2018」の日本予選大会に出場し、「レキピオ 2.0」と題して、レキピオの次の構想についてもアイデアを披露している(上のビデオ)。プレゼンでは、料理中は両手がふさがっていることからスマートフォンを操作しづらいため、ユーザはスマートフォンやスマートスピーカーからの音声入力によるやりとりで献立を選べるほか、CNN(Convolution Neural Network)や YOLO(You Only Look Once)を活用した、画像認識による食材登録機能の構想なども明らかにされた。

TADAGENIC は2017年9月の設立。平塚氏らはレキピオを開発する以前、昨年のサイバーエージェント・ベンチャーズが学生起業家向けに開催した「GATE」では、インフルエンサーマーケティングアプリ「TADAGENIC」で優勝している。リクルートホールテディングスが運営するアクセラレータ TECH LAB PAAK の第11期への参加を通じてサービスを大きくピボットし、レキピオのリリースに至った。将来は、家庭での献立提案にとどまらず、食品小売や外食産業分野への進出も考えているそうだ。

TADAGENIC のチーム(左から):三枝守輝氏(データサイエンティスト)、平塚登馬氏(CEO)、岩崎裕輔氏(CTO) 川口裕汰氏(デザイナー)
Image credit: TADAGENIC

Members

BRIDGEの会員制度「Members」に登録いただくと無料で会員限定の記事が毎月10本までお読みいただけます。また、有料の「Members Plus」の方は記事が全て読めるほか、BRIDGE HOT 100などのコンテンツや会員限定のオンラインイベントにご参加いただけます。
無料で登録する