
Image credit: Google
Googleはオープンソースの開発キットFlutterのバージョン2.2を公開した。開発者向けカンファレンスI/Oで今回のアップグレードは公開され、アプリ内購入やアダプティブ公告による収益化を支援するための他のGoogleプロダクトの有効活用フローなどを新規公開した。
Googleは2017年のGoogle I/OにてFlutterを発表し、翌年から実用化が進んだ。Flutterの最大の特徴は同じコードベースでクロスプラットフォームのソフトウェアを開発可能とする点。AndroidやiOSを始め、デスクトップ、Linux、Windows、MacOS、IoTなどの組み込みデバイスにも対応している。
今回の新機能発表は、今年3月に正式リリースしたFlutter 2.0をベースに捉えたもの。前回のアップデートでは、ウェブベースに正式に対応しWindowsやMacOS、Linuxの開発はStableリリースチャンネルへと開発が進んでいる状況だった。今回は、サービスワーカーによるウェブアプリケーションのバックグラウンドキャッシングや、アンドロイドアプリ用のDeferredコンポーネントなど幾つかのパフォーマンス向上が行われた。また、Flutter2.2ではWindows 10のUniversal Windows PLatform(UWP)をα版にてサポートしている点。これは、折り畳み式デバイスへの対応とみられ、MicrosoftによるFlutterのサポーティング体制は整っているように思える。
Flutter 2.2
FlutterはOSSなものの、Googleが中心となって開発を進めていることに変わりはない。そのため、Flutter2.2では、Googleエコシステムとのタッチポイントによる機能強化が多く垣間見れた。例えばGoogle Payチームと共同で決済プラグインを導入、アプリ内における支払いフローを簡潔化させた。もちろんGoogle PayはAndroid向けなものの、iOSにはApple Payとして対応させている。既にサードパーティー製でプラグインは存在していたが、今回の発表にてオフィシャルGoogle Payプラグインがオープンソースからのコミット協力を得て誕生したことになる。
また、Flutter向けにβ版が用意あれているGoogle Mobile AdsのSDKが、各デバイスに合わせて自動的に最適化されるアダプティブバナーをサポートした。同SDKはnull safetyにも対応している。
加えてFlutterの言語Dartはバージョン2.13となり、Github ActionsやDocker Imageが正式にサポートされた。Googleプロダクトの中では、既にGoogle Play、Google Analytics、Google Ads、Google Shopping、Google Nest Hub、StadiaなどがFlutter製。加えてFlutterをベースにプロダクト開発を進めるエンタープレイズも増えており、SquareやTiktok(ByteDance)、TencentやSonosが採用を決めている。
Google によれば現段階でFlutterを用いたアプリケーションはストア上にリスティングされているだけでも20万個存在し、今年初めの15万個から増加していることを公開している。また、過去1か月における新規アプリの8つに1つはFlutterをベースに実装されているという。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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