ソウル市内34大学をつなぐ起業促進プロジェクトが拡大など——韓国スタートアップシーン週間振り返り(5月3日~5月7日)

本稿は、韓国のスタートアップメディア「Startup Recipe(스타트업 레시피)」の発表する週刊ニュースを元に、韓国のスタートアップシーンの動向や資金調達のトレンドを振り返ります。

Copyright 2021 © Media Recipe. All Rights Reserved.


5月3日~5月7日、韓国のスタートアップが調達した資金総額は487億ウォン(約47.4億円)に達した。

主な資金調達

(クリックして拡大)
  • Washswat(洗濯特攻隊/세탁특공대)は、約175億ウォン(約17億円)を調達した。同社は、明け方に洗濯物を回収し、2日以内に配達するサービスを行っている。現在、ソウルと京畿道の一部でサービスを展開しているが、今回の調達でソウル首都圏全域への拡大とスマートファクトリーシステムのアップグレードを計画している。
  • AI カスタマイズ資産管理サービスの Quantec(콴텍)は、75億ウォン(約7.3億円)を調達し、超個人化された金融投資プラットフォームの構築と投資アルゴリズムのアップグレードに使用する。
  • 遺伝子解析の Ichrogene(아이크로진)は、30億ウォン(約2.9億円)の投資を調達した。Ichrogene は、60万件の遺伝子ビッグデータを分析することで、慢性疾患や癌を予測するソリューションを開発しており、今回の投資で遺伝子ビッグデータの分析能力の向上と技術の確保を図る予定だ。
  • 企業の経費や勘定調整の自動化サービスを提供している Spendit(스팬딧)は、20億ウォン(約1.9億円)を調達した。今回の投資により、経費管理機能全般を洗練させ、経費管理と法人向けクレジットカードを組み合わせたサービスを開始する予定だ。

トレンド分析

ソウル・キャンパスタウンに参加する大学の分布
Image credit: ソウル特別市

ソウル市は「起業に最適な若者の街」を作るために、スタートアップバレーの形成に着手する。ソウルを北西部、南西部、北東部の3つのエリアに分け、キャンパスタウンと連携してスタートアップバレーを形成し、都市の資源を動員してユニコーン企業の成長を支援するという。

キャンパスタウンとは、大学が保有する人的・物的資産を活用し、ソウル市・大学・地方自治体が連携して、若者のスタートアップ促進と大学街の不況を同時に解決するプロジェクトだ。2017年から本格的にスタートし、現在はソウル市内の34の大学で運営されている。また、72のスタートアップスペースを創出している。地下鉄の駅の遊休スペースを活用して、若者のスタートアップスペースを提供している。ソウル市は今年、スタートアップキャンパスを通じて1,000社以上のスタートアップ企業が誕生すると見込んでいる。

これまで、ソウル市がプログラムをキックオフした2017年からの4年間で、646のスタートアップチームがソウルキャンパスタウンから誕生している。また、資金調達額も44億ウォン(約4.3億円)から252億ウォン(約24.5億円)へと472%増加した。キャンパスタウンは、落ち込んでいた地元のビジネスコミュニティの活性化にも貢献している。大学、若者、住民が協力して、地域の祭りや伝統市場、地域の問題を解決するスタートアップなど、さまざまな「Win-Win」のプロジェクトを推進している。

ソウル市は最近、キャンパスタウン事業を拡大するために「ソウル・キャンパスタウン2.0(서울 캠퍼스타운 2.0)」を推進するビジョンを発表した。誰もが挑戦できるスタートアップを通じて、若者の夢の実現を支援するという計画だ。この計画は、呉世勳(オ・セフン、오세훈)新ソウル市長が4月の就任演説で強調した「公正で共存する若いソウル」にも沿ったものだ。

まず、スタートアップバレーを3つのゾーンに分けて設置する。北西部は若者のスタートアップのメッカとし、南西部の研究開発拠点を強化し、北東部の大学と地域社会の連携を強化する。また、これまでは個々の大学がプログラムを運営していたが、今後はキャンパスタウンをクラスター化する計画だ。大学同士がつながることでシナジー効果を発揮し、大学にとってもバランスのとれた発展効果をもたらすことを目指している。

また、スタートアップが初期の立ち上げ段階を超えて、ユニコーン企業になるための支援にも力を入れていく。「未来技術革新ファンド(미래혁신성장펀드)」、大企業と連携したオープンイノベーション、R&D 支援プログラムなど、ソウルの政策資源を総動員する。

さらに、社会問題を解決するための若者の創造的なアイデアをビジネス化することも支援している。さらに、社会問題を解決するための若者の独創的なアイデアをビジネス化し、利益を生み出すビジネスモデルに発展させるために、コンサルティングから社会的インパクトのある投資の調達までを支援する。これらの計画をもとに、ソウル市は6月に「ソウル・キャンパスタウン2.0」計画を正式に発表する予定だ。

<参考文献>

【via StartupRecipe】 @startuprecipe2

【原文】

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録