インドネシアの日用品ハイパーローカルコマース「Super」、シリーズBでSoftbank Venturesらから2,800万米ドルを調達

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Steven Wongsoredjo 氏(中央)と Super 共同創業者の皆さん
Photo credit: Super

インドネシアの二級都市、三級都市、農村部でサービスを提供しているソーシャルコマース・プラットフォーム「Super」は、SoftBank Ventures Asia がリードしたシリーズ B ラウンドを、オーバーサブスクライブの2,800万米ドルを調達してクローズしたことを発表した。

今回参加した既存投資家には、Amasia、Insignia Ventures Partners、Y-Combinator Continuity Fund、Stephen Pagliuca(Bain Capital の共同会長、Boston Celtics の共同オーナー)などがいる。また、DST Global と TNB Aura のパートナーも共同で出資した。

同社は今回の資金調達により、東ジャワ州でのプレゼンスをさらに高め、今年後半にはインドネシアの他の州でも販売を開始するとともに、ホワイトレーベル製品の開発を進めている。今回のラウンドは、Amasia がリードし、Y-Combinator、B Capital、Insignia、Alpha JWC Ventures などが参加、700万米ドルを調達したシリーズ A ラウンドに続くものだ。今回のラウンドで、Super の累積調達額は3,600万米ドルを超えた。

Y Combinator の卒業生である Super は、ソーシャルコマース・プラットフォームを提供している。「Superagen」は、エージェント主導型のコマースで、コミュニティのリーダーが自分のコミュニティにさまざまな商品を販売できるようにすることで、自力で起業できるようにするものだ。

また、このスタートアップは、最低コストで物流ネットワークを構築し、ソーシャルな購買行動のためのコミュニケーションを促進することで、エージェントが Instagram、Facebook、WhatsApp などのソーシャルネットワークを通じて様々な商品を販売できるようにしている。

遠隔地の村のコミュニティリーダーが、需要を集約してコミュニティの Walmart として機能することを想像してみてほしい。Super はそれと同じことをしている。我々は、エージェントからの注文が最低注文数に達すると、エージェントに商品を届ける。エージェントは、ユーザのためにラストマイルの配送を行う。(CEO 兼共同設立者の Steven Wongsoredjo 氏)

東ジャワ州にある SuperCenter 前に立つ Steven Wongsoredjo 氏。SuperCenter は、地域のエージェントへの商品の引き渡し拠点だ。
Image credit: Super

Wongsoredjo 氏は、二級都市や三級都市の商品価格は、同じ商品をジャカルタで購入する場合と比べて、最大で200%も高いと考えている。しかし、これらの遠隔地での購買力は、通常、ジャカルタでの購買力の何分の一かだ。

辺境の地で小売業を営む家系に生まれた私は、幼い頃からこの問題に気付いていた。ジャカルタでは1米ドルで2〜3杯の牛乳が買えるのに、インドネシアの農村部の母親は1ドルで1杯の牛乳しか買えないというのは、とても不公平だと思った。そこで、我々は Super を設立した。(Wongsoredjo 氏)

適正価格を実現するためには、より効率的なサプライチェーンが重要であることに、創業チームはすぐに気づいた。

我々は、中国やインドでソーシャルコマースが爆発的に普及したことで、これらの市場の消費者がより安い価格で購入できるようになったことを目の当たりにした。

また、我々のエージェントベースのモデルが、昔から経済機会に恵まれない地域で、主に女性の零細企業家に力を与えていることにも大きな満足を感じている。また、大規模なサプライヤーとエージェントを結びつけることで、従来の肥大化したサプライチェーンにおける過剰な車両や倉庫の必要性を排除することができる。また、このようなサービスを提供することで、インドネシアの二酸化炭素排出量の削減にも貢献している。Super のビジネスモデルは、誰にとっても Win-Win なのだ。(共同創業者で元 Google の Debeasinta Budiman 氏)

同社は主に、プリンシパルからの直接購入、エージェントへの販売時の利益分配、製品のホワイトラベル化によって収益を得ている。同社は最近、独自のホワイトラベルブランド「SuperEats」を立ち上げた。Superは現在、インドネシアの東ジャワ地域の17都市で事業を展開している。ハイパーローカル物流プラットフォームを活用し、通常は注文から24時間以内に消費財を代理店に配送する。

Wongsoredjo 氏によると、同社は何千人ものコミュニティエージェントと提携し、毎月数百万ドル相当の商品をコミュニティに配布しているという。Super は現在 FMCG(日用消費財)を中心に展開しているが、今回の資金調達で製品ラインナップの拡大を目指す。

競合関係については、Wongsoredjo 氏は次のように述べている。

インドネシアのソーシャルコマースを調べてみると、いくつかのプレイヤーがいて、その中にはファッション製品や化粧品などを扱うプレイヤーもいるが、FMCG の分野では誰もいない。また、Tokopedia のようなユニコーンもいるが、実のところ我々のビジネスを補完してくれている存在だ。

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【via e27】 @E27co

【原文】

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