クリエイターのライブ配信SNS「00:00 Studio」でライブ制作依頼が可能に、ファンとの持続可能な関係づくりに一手

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00:00 Studioでは制作過程などをライブ配信したりアーカイブとして公開できる

ニュースサマリ:創作活動をライブ配信できるソーシャルネットワーク「00:00 Studio(フォーゼロスタジオ)」を運営するアルは6月30日、クリエイターがライブ配信中にファンからの有償リクエストを受け付ける「リクエスト機能」の提供を開始した。リクエスト機能を設定したクリエイターはファンからの依頼を受け付けることができ、その制作過程も含めてファンとのコミュニケーションに活用することができる。

受け付けることのできる依頼はイラストや音楽、文章などのデジタルデータで、対応している形式は現在、PNG、JPG、MP4、MP3、wav、docx、txt、PDFとなっている。金額は1,000円から30万円の間で設定可能で、納期は7日から30日までの間を選ぶことができる。リクエストがあった場合、クリエイター側が受けるかどうかを選択し、直接納品することになる。手数料は12.5%で未払いなどのトラブルが発生しないようアル側で支払いを管理する。万が一、完成しないなど依頼品が完成しない場合はユーザー側の支払いが実行されない仕組みとなる。

話題のポイント:マンガサーチのアルが手がける、クリエイター向けのライブ配信ソーシャルが「00:00 Studio」です。先日、代表を務める古川健介さんことけんすうに公開取材でお話を伺いました。

この中で彼らがチャレンジしていることのひとつがクリエイターとファンの関係づくりです。今、まさに私もこの記事を書いてますが、チャットでけんすうに取材してドラフト書いて、編集して、入稿して公開してソーシャルで「書きました」とツイートするところまでをプロセスとすると、短くても1、2時間ぐらいは黙ってひとり黙々と画面に向き合う必要があります。

これがマンガやイラスト、作曲などのクリエイティブになるとさらに長時間になります。孤独です。このもくもくとした時間をプロセスとして新しい体験価値に変えようというのがプロセスエコノミーの考え方になります。

現在も00:00 Studioでは差し入れというデジタルギフトの機能があるのですが、今回、追加されたリクエスト機能もその拡大版と捉えた方がよさそうです。というのも、FAQにある通りかなりクリエイターの側に立ったサービス体験設計がされているからです。

依頼が受け付けられない前提が書いてあるところにポリシーを感じる

あくまでクリエイターに仕事を依頼するというよりは、依頼ができる窓口を用意したので、そこを通じて新しいコミュニケーションを楽しんでください、というもののように感じます。また、これらのクリエイター側が受付したリクエストは全てクリエイターページに公開されるそうで、非公開にやり取りすることはできません。

常時接続ソーシャルはゲーム配信のMirrativやDiscord、年代ざつだんのYay!やパラレル、ラジオ配信型のStand.fmやVoicy、Clubhouse、Twitter Spacesとバラエティ豊かになってきました。

以前、Clubhouseの盛り上がりが一気に引いた際、とあるインフルエンサー事務所の方に「さすがにノーメリットで配信する必要はないよね」と静観の理由を聞いたことがありましたが、課金の方法についても単なるデジタルギフトやライブコマースだけでなく、00:00 Studioのように「プロセスごと体験として売る」というアプローチがどのように評価されて、どこにポジションをとるのか大変楽しみに見ています。

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