世界で成長するペット市場、競争力のカギは何か?——韓国スタートアップシーン週間振り返り(8月2日~8月6日)

本稿は、韓国のスタートアップメディア「Startup Recipe(스타트업 레시피)」の発表する週刊ニュースを元に、韓国のスタートアップシーンの動向や資金調達のトレンドを振り返ります。

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8月2日~8月6日に公開された韓国スタートアップの調達のうち、調達金額を開示されたものの総額は814億ウォン(約78.3億円)に達した。

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主なスタートアップ投資

  • コマースプラットフォーム「Brandi(브랜디)」が Naver から200億ウォン(約19.1億円)を追加調達。Naver は昨年にも、東大門ファッションクラスタ活性化のため Brandi に100億ウォン(約9.6億円)を投資した。今回の投資で Brandi は日本進出を加速し、フルフィルメントセンター4000坪拡大を完了する計画。
  • 睡眠専門ブランド「3分の1(삼분의일)」が120億ウォン(約11.5億円)を調達。今回の調達で、グローバルマーケットへの進出とスリープテック分野の製品群を拡張する計画。
  • 新鮮肉を流通する Jeongyookgak(정육각、精肉角)が Naver から100億ウォン(約9.6億円)を調達、Naver 生鮮食品流通の競争力強化に貢献した。Naver Smart Store に入店し、肉販売流通をサポートする。
  • 人命救助ドローンなどの産業ドローンを製作する Soomvi(숨비)が100億ウォン(約9.6億円)を調達。投資額は UAM(都心航空モビリティ)市場の成長に備えるため、PAV(個人用航空機)技術開発などに使用予定。
  • 中小企業のための経営管理自動化サービス運営会社 Emmental(에멘탈)が Naver などから60億ウォン(約5.7億円)を調達。売上高、仕入、請求を収集し、リアルタイムで統合管理することができるサービスで、現在10万箇所以上のユーザを確保。Naver との協力事業推進予定。
  • ビューティーショップトータルソリューション「Colavo(콜라보)」を運営する Colavo Ground(콜라보그라운드)が45億ウォン(約4.3億円)を調達。美容室、ネイルショップ、スキンケアショップ、愛犬美容ショップなどショップ運営に必要な顧客管理、スケジュール管理、予約管理、売上を確認できる SaaS を提供する。登録ビューティーショップは10万軒を突破、今回調達で世界市場へ進出予定。
  • 不動産の自動企画設計サービス「Flexity」を運営する EDIT Collective(에디트콜렉티브)が40億ウォン(約3.8億円)を調達。土地と建築物の用途のために、建築法規をリアルタイムで分析、不動産開発収益を最大化した3次元企画設計案と検討レポートを7秒以内に提供する。
  • 中古携帯電話取引「Joongabi(중가비)」を運営する Upstairs(업스테어스)が28億ウォン(約2.7億円)を調達。中古携帯電話の見積、比較、取引プラットフォームで累積500万件以上の中古携帯電話の相場データを保持、透明化された取引仲介サービスを提供する。

トレンド分析

成長するペット市場

新型コロナウイルスの感染拡大で在宅生活が増え、ペット市場が上昇気流に乗っている。世界的ペットシッタースタートアップ「Rover」は先週、SPAC 上場で10億米ドル企業となり、6月には、ペット向けサブスク「Barkbox」の親会社が上場に成功した。ペット産業は世界で最も急速に成長している産業の一つだが、新型コロナウイルスの影響により家での滞在時間が増加したことで関連産業も爆発的に成長している。全米ペット産業協会によると、アメリカのペット市場は2021年には1,100億米ドル規模にまで拡大すると予想されている。

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このような市場潜在力に、ペットスタートアップの評価も高騰している。ペット DNA 検査機関 Embark は最近、ソフトバンクから7,500万米ドルを調達、獣医と遠隔診療が可能な動物病院「Modern Animal」も7,550万米ドルを調達した

韓国国内ペット市場も同様だ。国内市場規模は2027年に6兆ウォン(約5,800億円)を超えると予想され、ペットスタートアップが増えており、大企業もこの市場に参入して市場はさらに活性化されている。先月には、国内のペットショップ1位 Pet Friends(펫프렌즈)が私募ファンドと GS Retail に1,500億ウォン(約144億円)規模で売却されるなど、大型の買収事例が初めて出てきた。ペットヘルスケアブランド「DR. MAMMA」を運営する Stickus Corporation(스티커스코퍼레이션)も Hansol Inticube(한솔인티큐브)に買収されスタートアップ同士のシナジーを期待される。

韓国を代表するペットスタートアップでは Pet Friends、FitPet(핏펫)Petdoc(펫닥)などが挙げられる。いずれも、ペットのためのオンラインショッピングモールを運営し、獣医などの専門家と共にカスタマイズされた飼料を提供したり、ペットのデータに基づいてカスタマイズされたヘルスケア管理を提供したりしている。ペットの健康にも関心が高まり、e コマースを中心にペットライフサイクルに合わせたヘルスケアの分野まで網羅したトータルサービスを提供する企業が増加する傾向にある。製薬会社やバイオ企業もペット関連に事業拡大している。

まだ韓国国内でペット市場を先行獲得したと呼ぶことができる企業はいない状況だ。スタートアップが市場を育て、大企業も可能性を見出して参入してみたものの、最も多くの消費が行われるペットフード分野では、グローバル企業が市場優位性を獲得しているからだ。このため、食品や製品のみを販売する企業ではなく、ペットの健康に焦点を当てたサービスが競争力を持つようになるとみられる。

【via StartupRecipe】 @startuprecipe2

【原文】

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