VRでうつ病を治療するBiPSEE、プレシリーズAでBNVらから2.5億円を調達——2025年に医療機器承認を目指す

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左から:CEO 松村雅代氏、チーフエンジニア 石田ゆい歩氏(BiPSEE Rumination 体験者)、COO 上木原広平氏、CPO 小松尚平氏
Image credit: BiPSEE

うつ病などの精神疾患向けに VR(バーチャルリアリティ)を使った Digital Therapeutics(DTx、デジタル療法)を開発する BiPSEE は7日、プレシリーズ A ラウンドで2.5億円を調達したと発表した。このラウンドは Beyond Next Ventures がリードインベスターを務め、ANRI と Scrum Ventures が参加した。

BiPSEE は2017年7月、心療内科医の松村雅代氏(現 CEO)らにより設立。うつ病などの精神疾患の原因の1つとなる思考の癖である「反すう(rumination)」に焦点を当てたスタートアップだ。反すうとは、抑うつ気分のときにその原因や結果、意味について繰り返し考えることを指し,うつ病や不安症といった精神疾患のリスクファクターとなる。

うつ病の治療には抗うつ薬の服用がスタンダードな治療方法の一つではあるが、3人に2人の患者は抗うつ薬の服用が奏功しない、また、2人に1人の患者は服薬指示を守らないという課題がある。また、反すう抑制には自己効力感のを育む体験を重ねることが有効だが、これまでは反すう抑制に特化したアプローチがなかったという。

そこで BiPSEE では、VR プログラム「BiPSEE Rumination」を開発した。VR を使った「宇宙シーン」「玉散らしシーン」といった日常から離れることが可能な複数のシーンが用意されていて、医師が処方したコンテンツがどこにいても体験できることが特徴。過度にコンテンツを再生できない機能が備わっているほか、処方通りにコンテンツを体験したかどうかを医師が確認できる。

BiPSEE Rumination は、2021年2月に香川県の3つの病院で、反すう症状を対象にした臨床研究が開始された。同社では今後、臨床研究と治験を重ね、2025年に医療機器プログラムとして、医薬品医療機器総合機構(PMDA)からの承認取得を目指す。

BiPSEE は昨年、Open Network Lab のヘルスケア領域特化アクセラレータプログラム「OnLab BioHealth」第2期に採択された。また、今年、特許庁の知財アクセラレーションプログラム「IP Acceleration program for Startups(IPAS)」にも採択された。

DTx 分野では、CureApp のニコチン依存症治療アプリが昨年、日本初の薬事承認を受けたのは記憶に新しい。Save Medical は、2型糖尿病患者向けの医療機器アプリの製造販売承認の取得と販売開始を目指している。うつ病向けでは、ジョリーグッドが帝人ファーマと、認知行動療法のアプローチでデジタル治療 VR の開発に着手している

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