不要品を地域でまとめてリユース促進、ジモティーがブックオフと提携

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

売ります・あげますなどのローカル情報を手がける「ジモティー」は7月にブックオフコーポレーションと提携し、余剰在庫に関する実証事業を開始すると発表した。ブックオフ内にある余剰在庫をジモティーに出品し、地域内でリユースを促進させる。

リサイクルショップや不要品回収業者は大量の不要品を買取・回収する過程で余剰在庫を多く抱え、倉庫を圧迫するなどの課題を持っていた。そこでこれらをローカル情報サイトに掲載することで必要とする人たちとマッチングし、在庫解消や収益化だけでなく地域内のリユースにも繋げる狙いだ。ブックオフは全国800店舗を運営しており、在庫の収益化という課題とジモティの思惑が一致した形となっている。ジモティー広報の宮本 亮氏は今回の提携開始にあたり、次のようにコメントしている。

これまでにもリサイクルショップや不用品回収業者においては、大量に不要品を買取・回収する過程で、余剰在庫となる商品が多く発生しておりました。特に大物家電は郵送での販売に向いておらず、倉庫のスペースを圧迫する原因にもなっていました。今回の取り組みでは倉庫内の在庫をジモティーに出品し、必要としている方に販売することで、収益化させるだけでなく、地域内でのリユースを促進することが目的になっています(ジモティー 広報 宮本 亮氏)

実証事業では横浜市にあるブックオフの東名横浜ロジスティクスセンターにてジモティー側がスタッフを手配し、出品のサポートを実施する。ブックオフの在庫を出品した後、ブックオフが指定する拠点で受け渡しを行う。同社によると、これまでに100点ほどの出品を実施し、数万円の高額商品を含め成約に結びついているという。一方のブックオフ側で今回の取り組みを推進した片吉 徹氏もこのように評価している。

これまでに自社リソースでジモティーへ出品をしていた際は、労働時間等の問題でスキーム確保が難しくなかなか進まなかったのですが、スタッフを派遣していただいたことにより、出品量が増加しました。ジモティー利用者にとっては取引相手が個人ではなく企業という認識を持っていただいていることもあり、直接引き取りの壁は個人より少ないのかなと感じています。また、出品作業を行っている場所は物流倉庫のため、普段お客様との交流は基本ありません。そのため、商品引き渡し時に直接お客様と対話できる刺激と緊張感を他業務に反映できるのではないかと感じています(ブックオフコーポレーション リユースECセンター運営部出品販売チーム・販路開拓担当 片吉 徹氏)

ジモティーでは持続可能な社会づくりを目指し、月間利用者数1,000万人の情報インフラを生かしたリユースの促進に今後も力を入れる。同様の課題を抱える全国のリサイクルショップや不要品回収事業者と連携を模索する予定。

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