ブログを書き続けることで得られる、リクルーティングツールとしての効果【ゲスト寄稿】

mark-bivens_portrait本稿は、フランス・パリを拠点に世界各地のスタートアップへの投資を行っているベンチャー・キャピタリスト Mark Bivens 氏によるものだ。彼は、日本で Shizen Capital(旧 Tachi.ai Ventures)のマネージングディレクターを務める。本稿は Bivens 氏の許諾を得て翻訳転載した。英語によるオリジナル原稿は、BRIDGE 英語版に掲載している。(過去の寄稿

This guest post is authored by Mark Bivens. Mark is a Paris- / Tokyo-based venture capitalist. He is the Managing Partner of Shizen Capital (formerly known as Tachi.ai Ventures) in Japan. The original English article is available here on Bridge English edition.

Image credit: Pxfuel

先月、フランスを再訪した際、ある成功したフランス人起業家(彼の最初のベンチャーを支援したかったのだが、それはまた別の話)に会った。とにかく、彼は私に刺激を受けたとお世辞を言って会話を始めた。もちろん、私はこの時点で疑心暗鬼になり、オチを期待したり、彼の健全な判断力に対する評価を考え直したりした。しかし、彼は冗談を言っているのではない。彼は、数年前に私が書いたブログ記事に触発されて、ある習慣を身につけ、それが今では彼の会社が人材採用において優位に立っていると述べたのだ。

具体的には、2013年に私が書いた記事のことだった。「起業家にとってのブログの重要性(The importance of blogging for entrepreneurs)」だ。

当時、私は「ブログを書くことは、恥知らずな自己宣伝ではなく、考えを伝え、意見を透明化し、読者の意見を参考にしてアイデアのベータテストを行うことだ」と述べた。定期的にブログを書くことで、直観力や創造力を鍛えることができる。ブログを書くことで、頭の中が整理され、その分野のリーダーとしての地位を確立することができるのだ。

特に5つ目のメリットは、私が取材したフランス人起業家にも当てはまった。ブログを長年にわたって継続的に書いてきたことが、今では最も効果的なリクルーティングツールとして実を結んでいるのだ。

彼によると、人材、特にソフトウェア開発者を採用する市場は、今ヨーロッパ全体で非常に競争が激しいそうだ。スタートアップは、資金力のある既存企業や、最近大規模な資金調達を終えたスタートアップに、開発者を奪われてしまうことが多くなっている。

この男性は、長年にわたってブログで自分の声を確立してきたことで、彼の野心の物語に賛同する忠実な読者を意図せずして集めてしまったのだ。今では、彼が求人情報を掲載すると、既成の読者の恩恵を受けることができる。さらに、この読者からの候補者は、長年にわたって彼の会社のビジョンをすでに教え込まれているため、文化的にもうまく適合することが多いのだ。

ブログは長期的なゲームである。その成果はすぐには現れず、多くの人が早々に放棄してしまう。しかし、この起業家は、長期的な投資の成果を手にしている。今日の人材争奪戦を考えれば、採用プロセスを加速させ、すでに自分のプロジェクトに賛同してくれている人材を集めることで、天文学的なリターンを得ることができる。

確かに、私がブログの力について書いたあの記事から8年の間に世界は変わった。起業家として伝道し、支持者を増やす方法は他にもある。例えば、ポッドキャスティングだ。

他人の評価に頼らないものを作ることは、無限の可能性を秘めている。Naval Ravikant 氏は、この概念を「許可なき効力(permissionless leverage)」と呼んでいる。

この表現が気に入ったので、私も採用しようと思う。

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