植物肉開発のDAIZが「焼肉きんぐ」「丸源ラーメン」運営と資本業務提携、「ミラクルミート」を国内外店舗で提供へ

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本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

発芽大豆由来の植物肉「ミラクルミート」を開発・生産する DAIZ は、「焼肉きんぐ」「丸源ラーメン」などの飲食店チェーンを展開する物語コーポレーションと資本業務提携し、ミラクルミートを使ったメニュー開発と販路拡大を図ると発表した。

DAIZ は、大豆の代謝に注目した独自の栽培法である特許技術「落合式ハイプレッシャー法」を開発。大豆の発芽中に、酸素、二酸化炭素、温度、水分などの生育条件にプレッシャーを与えることで酵素が活性化し遊離アミノ酸量が増加、大豆の旨味を引き出す。独自の膨化成形技術により、他の原料や添加物を何も足さずに、肉の様な食感を再現する。

物語コーポレーションは、国内において郊外ロードサイドを中心に「焼肉きんぐ」「丸源ラーメン」、中国・上海では「蟹の岡田屋総本店」「熟成焼肉 焼肉王」など国内外15ブランド597店舗を展開する外食大手。今回の資本業務提携を受けて、「焼肉きんぐ」ではミラクルミートをベースに新たな焼肉商材を共同開発、また、ミラクルミートを使用してレシピ開発した餃子・春巻き等の商品を「丸源ラーメン」に展開する。海外店舗でも、ミラクルミートを使用した商品の現地製造と販路拡大を予定しているという。

DAIZの植物肉「ミラクルミート」の製造工程

地球の恵みを受けながら事業を営む私どもにとって、地球環境保護を通じた「サスティナビリティ」の追求は果たすべき責務の一つです。また、独自の特許技術をもとにした「ミラクルミート」は大きな可能性を持つ「次世代の代替タンパク質素材」であり、その可能性は無限であると感じております。当社のインフラを活用しながら、過去にはない「次世代商材」を開発し、多くの皆様に感動と美味しさをお届けするとともに、持続可能な社会の実現を目指してまいります。(物語コーポレーション 代表取締役社長 加藤央之氏)

DAIZは「オールジャパン構想」のもと、大手企業と提携することで、日本の食品技術を結集させて次世代植物肉「ミラクルミート」を生み出し、さらに研究開発を重ねることで価値向上を図っております。植物肉のトップランナーとして、この日本発の植物肉「ミラクルミート」を多くの消費者へ届けることで国内市場の裾野を広げていきたいと考えております。両社の取り組みにより、食料問題や温室効果ガスの低減等の社会課題の解決へ貢献してまいります。(DAIZ 代表取締役社長 井出剛氏)

地球温暖化は、二酸化炭素・メタン・一酸化炭素・フロンなどの温室効果ガスが原因とされており、農業・畜産業では世界で飼育されている15億頭もの牛による二酸化炭素や腸内ガス(メタン)の排出が温室効果ガスの大きな要因となっている。牛・豚・鶏に次ぐ新たな肉として注目されている植物肉は、温室効果ガスの排出を抑える効果が期待されている。地球温暖化を防ぐ観点から、外食産業にもサステナブルな世界の実現するための努力が求められており、飲食店で植物肉が消費者にどう受け入れられるかは注目される。

日本国内で植物肉スタートアップと焼肉外食チェーンの共創事例としては、ネクストミーツが「フェイクミート」を焼肉ライクに供給している事例がある。DAIZ はこれまでにも、フレッシュネスバーガー、A&W、いしがまやハンバーグ、フレッシュネスバーガー、キリンシティ、ライフ、ニチレイフーズ、アフターヌーン・ティールーム、味千拉麺らとそれぞれ協業し、植物肉を使ったメニューの提供を行なってきた。なお、DAIZは21年10月に「KDDI Open Innovation Fund 3号」からも資金調達を実施している。

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