
Image credit: Hashed
韓国を拠点とするブロックチェーン特化ベンチャーキャピタル Hashed Ventures は、世界中のブロックチェーンエコシステムを支援することを目的として、Hashed Venture Fund II(2号ファンド)に2億米ドルを調達した。Hashed は、今回の資金調達により、Web3、すなわち、人々が自らのデータを管理し、買い物や社交、仕事などの活動の記録をブロックチェーン上に公開する分散型インターネットの実現を目指す。
新たにパートナーに加わった2人のうちの1人であるキム・ベクギム(김백겸)氏が Hashed のブログに次のように書いている。
Web3 では、ガバナンス、プライバシー、スケーリング、アイデンティティ管理、データ構造、メッセージング、セキュリティなど、技術的・実用的な問題が山積している。我々は、エンドユーザの体験を向上させる問題の解決、より魅力的なメタバースゲームの設計、Web3 サービスを広く浸透させるべくより安全なものにすることに注力する。
また、Hashed は、Web3 が信頼を回復し、メタバースの定義に関する重要な決定をプレイヤーが共同で行うような、新しい種類のガバナンスを可能にする可能性があると楽観的に述べている。
今回の資金調達は、Hashed Venture Fund I(1号ファンド)の最初のコミットメントである1億2,000万米ドルから約1年後に行われる。
先週、Hashed の共同創業者パク・ジンウ(박진우)氏がシンガポールと韓国を拠点に設立したスタートアップ「OFF」も、350万米ドルのシード資金調達を発表した。同社は、アバターベースのマイクロバーズで、オープンなエコシステムを構築するというビジョンのもと、NFT ベースのソーシャルメタバースプラットフォーム「MYTY」を構築している。

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2017年に設立された Hashed Venture は、ブロックチェーンと仮想通貨に特化したアーリーステージの投資会社だ。その投資テーゼは、NFT、DeFi、GameFi など、次世代のインターネットで消費者のインタラクションを変革することが期待される Web3 に焦点を当てている。
Hashed は、資金調達のほかに、ブロックチェーンのミートアップグループ「Hashed Lounge」、創業者や思想家にインタビューする仮想通貨ブログ「Hashed Post」、ワールドクラスのカンファレンス、イベント、ネットワーキングブランド「Hashed Night」を運営している。
同社は、投資先企業がグローバル市場にシームレスに参入できるようにすることで、コミュニティや会社設立プロセスを活性化させるとしている。
これまでに Hashed は、ユニコーン企業である Sky Mavis が開発した遊んで稼げる(Play-to-Earn)ゲーム「Axie Infinity」、NFT 技術を用いた多人数参加型オンラインバトルアリーナ(MOBA)ゲーム「Sipher」、マルチチェーンウォレットおよび DeFi ゲートウェイ「Coin98」、クロスブロックチェーンの流動性とアプリケーションを提供する分散型金融ハブおよび安定コインプラットフォーム「Alaca」など、東南アジア発のプロジェクトへの投資を行ってきた。
また Hashed は、次のようにも述べている。
ゲーム、K-POP、金融、家電、ソーシャルメディアなど幅広い分野の専門家であり、Web3.0 に積極的に取り組んでいる大手上場企業をはじめとして、2号ファンドのリミテッドパートナーのネットワークをグローバルに拡大した。
Hashed は設立以来、30件以上の戦略的投資を行い、シンガポールやインドなどの主要市場での活動を拡大している。
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