最初にコンタクトすべき人どう見つけるーー海外進出3つのルール(2)

本稿は1月に開催されたオンラインイベント「BRIDGE Tokyo」で配信したセッション動画です。アクセンチュア・ベンチャーズはグローバル化するスタートアップシーンに必要なノウハウやトレンドの話題を提供しました。前回からのつづきです。

池田:特定の国や市場に進出するには、現地の株主を持つことが重要だとおっしゃいました。ということは、それぞれの国に現地子会社か何かが必要になるということですね。

Sharma:そうです。我々も、お話しした市場については現地子会社を設立しています。そして、いくつかの国々や市場では、会社設立に現地株主が必要です。しかし、タイやベトナムの政府は外国人からの投資を増やすため、新しい法令や規制を施行しはじめています。

最近、これらの国々では BOI(投資委員会)が立ち上げられ、外国企業も100%自己出資で運営できるようになりました。特にタイはそうですね。ですから、各国政府も規制緩和に動いているのですが、それでもまだ困難なことは残っています。

池田:どの国が一番難しいんですかね?

Sharma:良い質問ですね。我々は最初は香港で始めたのですが、注力する市場の関係で地域ハブをシンガポールや香港ではなく、タイに作ったんですね。これが非常に時間がかかりました。会社を設立するのに4週間かかり、そこから必要な文書を揃えるのに3〜6ヶ月かかりました。この手続は改善されてはきています。3年前、代表事務所と登記をしたときには、それだけで4〜6ヶ月かかりましたから。

そして、ビジネス文化の違いが次のポイントです。ビジネス文化、労働文化の違い、言語の違いは重要です。我々が現地オフィスを開設するのは、これらの市場に根を張るためにスポークスパーソンになり得る現地人材を採用する必要があるからです。現地の顧客に会うときには、現地語でのやりとりになりますから。

いろんな場所のオフィスから集まった人たちのおかげで、戦略チームや実行チームを強い力を保てていますが、営業チームは市場にローカライズする必要があります。顧客やパートナーとのやりとりがあるからです。タイは我々にとって最初の市場でした。東南アジアでオフィスを開設することは難しいことですが、我々はそれを克服し拠点にすることができました。

最初にコンタクトすべき人をどう見つける

池田:ありがとうございます。次の質問に移らせてください。Sharma さんは自らのスタートアップを経営されています。三木さんは自らはスタートアップではないですが、多くのスタートアップを支援されています。世界展開を展望する自分またはスタートアップのために、最初にコンタクトすべき人をどうやって見つけましたか?まず三木さんから。

三木:はい。海外進出を検討・計画しているなら、3つの分野の専門家に連絡し、適切な情報と支援を得ることが成功のカギになると思います。1つ目は、進出先候補の市場調査を委託する調査機関です。市場参入の前に、その地域の各国の市場調査や分析を行い、実際に現地にコンタクトを取り、調査を実施し、実地訪問や潜在顧客の訪問ができる会社を見つける必要があります。2つ目は、マーケティングや製品・サービスに対して信頼と関心を寄せてくれるエージェンシーです。

海外に進出する際には、プロモーション活動や広告活動を企画・実施できる外部パートナーが必要となります。そのようなエージェンシーやパートナーは、できるだけ早く見つけるのがよいでしょう。3つ目は法律事務所や会計事務所です。先ほど KK が言ったように、会社設立や許認可の取得など財務的な面も含め、現地のルールをクリアするのはとてもとても大変なんです。

日本や世界の基準とは違うかもしれませんから、こういう専門家を見つけ、現地の許認可を理解する必要があります。これらの3種の会社を活用する必要があります。そうすれば、社内の最小限の経営資源で海外に進出できます。

池田:Sharma さんはどう思いますか?

Sharma:三木さんがおっしゃった調査、マーケティング、法律事務所が、アジア市場に進出する前の重要になるという点については、私も非常に同意見です。財務面は特に我々にとって重要です。海外展開を始める段階で、大きな投資はしたくないものです。事前に〝宿題〟をちゃんとやっておけば、正しい行動ができます。

BidMath に関しては、東南アジアに進出する前に3〜4つのことをやったのですが、これは話を聞いていただいている皆さんやアジア進出を考えている皆さんに、役立つと思います。

SWOT 分析を実施しました。正しいことをしているのか。競合がどのくらいいるのか。我々の強みは何で、現地で得られる事業機会は何か。Googleとベイン・アンド・カンパニーの報告書によると、東南アジア市場について特筆すべきは、世界で最も成長の速い市場の一つであり、2020年のコロナ禍で新たに4,000万人がインターネットを使い始めました。

その結果、東南アジアのネット普及率は75%に達し、現在では4億4,000万人がインターネットにつながっています。我々はデジタルマーケティング、デジタル広告の会社ですから、この人口の多さと成長の速さは期待を確信に変えてくれます。

調査によって、市場に事業機会があることがわかったのです。さらに、私は東南アジアで10年超にわたり働いた経験は、事業機会があることを理解するのに役立ちました。

外部の適切な調査チームと SWOT アナリストと出会えたことで、この市場の成長が非常に速いことも理解できました。また、三木さんが言うように、法律事務所も非常に重要です。アジアには非常に多くの国があり、そこに進出するには法令に従う必要があります。

地元の弁護士が必要になるので、おすすめしたいのは、本社に現地コーディネートが可能な弁護士を依頼することです。現地の法令や法人設立の仕組みを理解するのには時間がかかりますが、法律事務所や会計事務所に頼めば、物事を整理してくれます。

東南アジア進出を目指す、あらゆる会社にとって重要なことです。最後に強調したいのは、ローカリゼーションと現地人材の雇用がカギだということ。今日の市場進出では、彼らは会社のスポークスパーソンになってくれる人々です。彼らがブランドやメディアエージェンシーにプロダクトやソリューションについて語ってくれることで、彼らは会社を牽引する存在になるのです。ですから、東南アジア進出では、現地人材を雇い、現地の文化や言語を理解することが、カギになると思います。

(次編に続く)

カバー画像:Credit Photo by fauxels: https://www.pexels.com/photo/man-and-woman-near-table-3184465/

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