AIライティングサポートの成功事例「Grammarly」/対話式AI「ChatGPT」の衝撃(3)

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Image credit:Grammarly

(前回からのつづき)カリフォルニア州サンフランシスコに拠点を置くGrammarlyはAIを用いたライティングアシスタントを提供するユニコーンスタートアップだ。2021年に行った直近の資金調達で2億ドルを調達し、評価額130億ドル、累計資金調達額は4億ドルとなった。

GrammarlyはクラウドベースのAIを利用した自動編集ツールだ。単語の綴り、文法、句読点の誤りをチェックして提案する。ユーザーごとにカスタマイズが可能で、目的の形式や口調を指定すると、それに合わせたアシストをしてくれる。

Grammarlyは既出のJasper、Writerの2社よりも馴染み深い人が多いかもしれない。自動編集ツールであるGrammarlyは今やどのアプリケーションでも使えるようになっている。TechCrunchによると、有名などころだとMicrosoft Office、Slack、Discord、Jira、その他にも電子メール、エンタープライズソフトウェアなど、50万を超えるアプリケーションとウェブサイトで動作しているという。この文章を執筆している今も同社のGoogle拡張機能の「Grammarly: Grammar Checker and Writing App」が文法の編集提案をしてくれている。

無料版では主に単語の綴りと文法チェックしか利用できないが、同社はフリーミアムモデルで有料課金すると単語の選択や文の書き直しや盗作検出、さらには学生や研究者向けに引用のフォーマットエラーをチェックなど様々な機能が使えるようになる。月額は1ユーザーあたりPremium版が12ドル、Business版が15ドルとなっている。Fast Companyによると、同社を3,000万人を超える利用者と3万を超えるチームが無料版と有料版を利用しているという。

Jasper、Writerと比較すると、同社はAIが自ら執筆することに重点を置いていない。Fast Companyの取材に同社デジタルマーケティング担当のAnn Handley氏は、会社の方向性として意図的にAIに書かせないことを明言している。いわゆるジェネレーティブAIの括りからは外れるかもしれないが、黎明期から自然言語処理と機械学習技術を進化せることに投資を続けており、AIの社会実装例としてのはしりと言えるだろう。同社は初期からキャッシュフローが黒字化を達成し、調達した資金の多くを開発へと活用できているそうだ。

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