テキストクリエイティブ作成AIで成長するユニコーン「Jasper」/対話式AI「ChatGPT」の衝撃(1)

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Image credit:Jasper

11月30日にOpenAIから発表された対話式のAI「ChatGPT」の話題を見ない日はない。自然言語処理分野はGoogleから発表された2018年のBERT、OpenAIから2020年に発表されたGPT-3など、アクセスできる言語モデルの衝撃的な進化の早さに関心があった人々を驚かせ続けてきた。しかし、今回のChatGPTは一般的な人々の目の届くところまで降りてくるほどの衝撃を与えている。それを象徴するのが次のツイートだろう。

これは東大の入試試験の要約問題だ。東大入試の英語試験では定番の第一問で、およそ15分程度で解く必要がある、短時間でどれほど問題を処理できるかを問う東大入試を象徴する一問だ。これに見事に解答している。自然言語処理がChatGPTの登場で注目される今、果たしてビジネスではどのような利活用が行われているか、まだ発表されて時間が経っていないChatGPTは登場しないが、これまでの技術で到達できている社会実装を紹介しようと思う。

Jasper

テキサス州オースティンに拠点を置くJasperは2021年創業のAIコンテンツプラットフォームを提供するスタートアップだ。これまでにシリーズAラウンドの調達を完了しており、累計調達額は1億3100万ドル、評価額15億ドルで創業から2年弱でユニコーン評価と目されている。

同社のプラットフォームはターゲットと企業コンセプトが明確である限り、時間をかけずにオリジナルコンテンツを作成することができるのが特徴だ。対応範囲は25の言語に対応したブログ記事、ソーシャルメディアの投稿、ウェブサイトの広告コピー、キャプション、ビデオスクリプトの下書きなど幅広い。

さらに、言い換えという形での文章作成もサポートしている。例えば、「励ましの口調で上記を言い換えてください」というコマンドを入力すると、即座に下に添付した画像のように口調を整えた文章に言い換えてくれる。

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TechCrunchの取材にCEOのDave Rogenmoser氏が答えたところによると、同社の言語モデル(ウェブの10%でトレーニングされ「顧客固有性」に合わせて微調整している)が他のアプリやサービスと比べて突出していると主張する。コンテキストに合わせたコンテンツのレコメンドをする同社のChrome向けブラウザ拡張機能ではGoogle Docs、Gmail、Notionなどにも対応している。

同社はDave Rogenmoser氏、John Philip Morgan氏、Brian Jasper Hull氏によって創業された。Rogenmoser氏はY Combinatorの卒業生で、以前は企業のウェブサイトをカスタマイズするスタートアップProof を運営していた経歴を持ち、Morgan氏とHull氏は、B2Bマーケティングとプロセス自動化のバックグラウンドを持つ。コピーの自動生成で成長する同社を支えるのがマーケティング出身の共同創業者というのには納得感がある。

また、同社は最近良く話題に上がるテキストから画像を自動生成するDall-E2 アルゴリズムを使用したJasper Artを2022年8月にリリースした。無料および有料で利用可能で、著作権フリーのストック写真の作成など、マーケティングアプリケーション用画像自動生成システムとして売り込んでいる。

2021年1月のローンチ以来、個人のクリエイターから大企業のチームまで、6万5,000人以上人を超える有料加入者がおり、2022年は昨年4500万ドルの収益を大幅に超える見込みだという。

次につづく:チームでバラバラのコンテンツガイドラインをAIがサポート「Writer」/対話式AI「ChatGPT」の衝撃(2)

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