廃棄物管理「UpBox」が15億円、ポップアップ店のスペース探し「Sweet Spot」が9.5億円調達——韓国スタートアップシーン週間振り返り(1月23日~27日)

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「UpBox」の廃棄物収集車、Sweet Spot
Image credit: Reco, Sweet Spot

1月23日~1月27日に公開された韓国スタートアップの調達のうち、調達金額を開示したのは5件で、資金総額は370億ウォン(約37億円)に達した。

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主なスタートアップ投資

  • 廃棄物収集運搬トータルサービス「UpBox(업박스)」を運営する Reco(리코)がシリーズ B のブリッジラウンドで145億ウォン(約15億円)を調達し、累積調達額が300億ウォン(約30億円)に達した。2020年の UpBox ローンチ以来、廃棄物の種類を拡大し、売上は前年同期比3倍以上を達成した。サービス利用者は3,000社で、調達した資金で UpBox を高度化し、総合循環資源プラットフォームに拡張する。
  • 小売業向けプロップテック企業 Sweet Spot(스위트스팟)が95億ウォン(約9.5億円)を調達した。主力事業であるポップアップストアや商業用不動産の賃貸代行、マーチャンダイジングコンサルティングなど、小売業向け全般のサービスを提供している。2021年下半期に損益分岐点を突破した。投資による商業用不動産ライブラリシステムの構築、小売資産管理 SaaS の開発を進める計画だ。
  • リーガルテック企業 Law&Good(로앤굿)が70億ウォン(約7億円)を調達した。弁護士の提案を受け、弁護士を選任するサービスを提供している。利用者は200万人で、事件依頼件数4万件を突破。 着手金基準1400億ウォン、肥大面選任率40%記録。
  • 製造プラットフォーム「CAPA(캐파)」を運営する A-Team Ventures(에이팀벤처스)が50億ウォン(約5億円)を調達した。外注で製品を製造したい顧客がオンラインで製造業者を見つけるのを支援するサービスを提供している。専門メーカー2,200社がパートナー企業として参加し、顧客は1万社に達している。調達した資金は、AI による見積自動化機能開発に投入する。

トレンド分析

シリコンバレー投資家 Andreessen Horowitz(a16z)は先月、社内パートナー数十人が参加した2023年のインサイトをウェブサイトに公開した。いくつかの展望の中で、コンシューマーテック、ヘルスケア、フィンテック、エンタープライズ分野で重要なポイントをまとめてみた。 その他ゲーム、クリプトなどの分野はここから確認可能だ。

コンシューマーテック

  • ソーシャルプラットフォームを通じて製品を発見することが自然になり、プラットフォームは購入プロセスをよりスムーズにしつつ、ソーシャルコマース、ディスカバリーコマース、ビデオコマースがより盛んになる。
  • 企業が人材不足に直面し、資格のある志願者を確保し検証する方法を探すにつれて、労働市場はさらに専門化されるだろう。
  • 企業がユーザーフレンドリーな製品を作成しながら、AI がより主流になる。
  • 人々が集まって交流するオンライン空間である第3の場所で、より深い議論と関係の構築が促進される。
  • B2C企業がマーケティング支出を減らし、CAC が減少。 これを解決するために Facebook、Instagram などと B2B パートナーシップを構築して事業を拡大する。

フィンテック

  • 多くの国で運営されている金融サービスを持つフィンテック企業には、企業コンプライアンス、リスクプロセス管理のためのソフトウェアがより多く使用される。
  • 成功した金融サービス会社を運営する上で、重要なバックオフィス機能を企業がよりよく管理するのを助けるツールを作る方に市場が転換される。
  • フィンテックと金融サービスでは、Chat GPT が相談を受けるなど、はるかに低コストで人間に似たサービスを提供する。
  • ビジネスバンキングサービス 近代化に必要な技術とツールを開発する企業が増え、企業がオンラインで銀行口座を開設し、財務を管理することが容易になるだろう。
  • フィンテック企業が新しい技術、特に LLM(Large Language Models)をどのように活用すべきかを議論するとともに、大量データ自動化による顧客信頼を維持しなければならない。
  • デジタルレンダーが銀行になるケースは増えるだろう。

バイオ/ヘルスケア

  • 患者に医薬品が届く方法に大きな改善が生じると期待。 ビッグデータ、コンピュータ予測を使用するなど、より高度な方法を使用して可能になる。
  • 世界最大の企業はコンシューマーヘルステック企業になる。世界5大企業のうち4社がコンシューマー企業であり、医療は北米最大の産業群だ。
  • 科学ネイティヴな SaaS ツールに対する業界のニーズが加速する。

エンタープライズ

  • 建設、農業、物流などの分野で産業経済のデジタル化を可能にするさらなる革新が現れるだろう。
  • AI がソフトウェアに統合される技術変化が起こっており、AI が生産性に与える影響はより明らかになるだろう。テキストから SQL クエリ、テキストから Excel のモデリングなど、より複雑なワークフローに移動しながらパフォーマンスが大幅に向上する。
  • ワークフローの簡素化、効率化を目的とする次世代 SaaS プラットフォームが登場すると期待される。

【via StartupRecipe】 @startuprecipe2

【原文】

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