車のメンテと修理「Doctor Cha」が13億円、GPU基盤「Backend.AI」が11億円調達——韓国スタートアップシーン週間振り返り(4月17日~21日)

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「Doctor Cha」と「Backend.AI」
Image credit: Autopedia, Lablup

4月17日~4月21日に公開された韓国スタートアップの調達のうち、調達金額を開示したのは6件で、資金総額は360億ウォン(約36億円)に達した。

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主なスタートアップ投資

  • ゴルフ練習場ブランド ShowGolf(쇼골프)が資金を調達し、時価総額は700億ウォン(約70億円)に達した。差別化されたコンセプトにより、ゴルファーの間で人気を得た ShowGolf は、調達した資金を既存の YG Plus と Naver が保有する GreenWorks(그린웍스、XGOLF を運営)の全株を買収し、合併後に IPO 準備に着手する予定。今年、新規の直営ゴルフ練習場などを開店する計画だ。
  • AI開発プラットフォームの Lablup(래블업)が105億ウォン(約11億円)を調達した。AI 学習やサービスに必要な GPU、AI 半導体、データを効率的に運営できるようにするプラットフォーム「Backend.AI」を運営。 現在、Backend.AI はサムスン電子、KT、LG電子、CJ など国内大企業70社以上の企業や組織で使用されている。今後、グローバル AI プラットフォームソリューション市場を攻める計画だ。
  • Autopedia(오토피디아)が130億ウォン(約13億円)を調達した。同社は、自動車アフターマーケット管理プラットフォーム「Doctor Cha(닥터차)」を運営し、提携を結んだ整備所に輸入車部品と消耗品を流通する事業を営む一方、輸入車修理専門ブランドをローンチし、直接修理も始めた。調達した資金で、オンライン・オフライン接続された自動車アフターマーケットのバーティカル化完成を狙う。

トレンド分析

スタートアップ M&A も下落兆候?

今年の第1四半期の投資が昨年の同期比80%近く下落し、投資市場はなかなか活気を見出していない。一方、買収合併市場は比較的活性化されている。昨年、多くの投資家は今年の買収合併事例がさらに増えると予想した。市場の悪化で企業価値が落ちた有望企業を低コストで吸収でき、資金難で会社の売却も増えるだろうという見通しだった。2023年第1四半期の買収合併件数は30件程度で、2022年同期比で大きな増加傾向は見せなかった。しかし、見通しとは異なり、下落が予想されるリスク要因が確認された。

第1四半期の買収合併事例を見ると、まず大企業のスタートアップ吸収が確実に減ったことがわかる。投資市場が活発だった2021年には、GS Retail、Lotte、Shinsegae などの大企業や Kakao、Naver など IT 企業も、競うかのようにスタートアップを買収した。2022年から大規模な買収事例が減り始め、今年は注目すべき大企業〜スタートアップ間の買収合併事例は出ていない。目立つのは、HYBE が AI オーディオの Supertone を450億ウォン(約45億円)で買収したのと、Qoo10 に買収された WeMakePrice くらいだ。これは、予測が難しい国内外の経済状況の中で、戦略的買収者も容易に買収決定をするのが難しい状況であり、交渉にさらに長い時間がかかるためでもある。

ユニコーンやユニコーン候補のスタートアップ買収も減る様相だ。昨年第1四半期には、Market Kurly、Zigbang、Yanolja などがスタートアップまたは大企業の一部事業部門を買収し、ユニコーン候補は企業規模を大きくすべく、企業を多数買収する戦略を繰り広げた。今年第1四半期にはユニコーンのスタートアップ買収のニュースは耳にしなかった。昨年は規模を大きくすべく過度な買収を進めていたユニコーン候補が、今年は資金難でスタートアップ買収を中断したわけだ。余裕資金を確保したユニコーンでさえ、収益性の改善に焦点を当て、スタートアップ買収には慎重を期すようになった。

減ってしまった大企業やユニコーン買収合併件数を埋めるのはスタートアップ間の買収合併だ。スタートアップ間の買収合併は相変わらず上昇している。第1四半期の買収合併のニュースを伝えたスタートアップの大部分はスタートアップを買収した事例だった。同業を吸収して競争力を強化して新事業進出に活用したり、同業の競合と合併して激しい競争市場で優位に立とうとしたりする戦略も見られた。市場の悪化で廃業した企業や時価総額が下落した企業を買収する事例もあった。ただし、買収額が公開されておらず、規模が大きくないというのは残念だ。

政府は買収合併ファンドに対する新株投資義務の廃止などを発表し、市場活性化政策も展開している。量的には現状維持に見えるが、質的に有意義な買収合併事例が出てくるかどうかは、市場の状況によって変わるだろう。

【via StartupRecipe】 @startuprecipe2

【原文】

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