本稿は、5月24〜26日に開催されている B Dash Camp 2023 Spring in Sapporo の取材の一部。

札幌でスタートアップ・カンファレンス「B Dash Camp」が始まった。主催する B Dash Ventures では近年、連携する若手投資家らに B Dash Camp 周辺でミニイベントの開催を促していることもあって、メインイベント前夜となった24日の夜にも、札幌市内で複数のイベントが同時多発的に進行していた。その中の一つとして、THE SEED の廣澤太紀氏らが旗を振る形で、「若手×先輩 Day1交流ナイト」がススキノの飲食店を貸切る形で開催された。

廣澤氏によれば、B Dash Camp のメインイベントでミングルの機会があるにもかかわらず、このミニイベントが開催されるのには大きく2つの目的がある。一つには参加者を絞り込むことで、若手起業家と先輩起業家（先輩起業家は、時としてエンジェル投資家にもなる）らの対話をやりやすくすること。もう一つには、メインイベントには800名以上の人々が参加しているが、ミニイベントはこの人数を絞り込み（昨夜は165名が参加）、互いに声をかけやすくすることだ。

スタートアップ元年から生まれ成功した起業家は７６（ななろく）世代を中心に多くいるが、ここ数年のうちにスタートアップを始めたばかりの若手起業家との間には、ざっくり言って20年程度の歳の開きがある。下手すれば親子の関係にもなる年の差は、先輩起業家には気軽には近付けない壁となってしまい、これが世代を超えた起業家間のインタラクションを阻みかねない。THE SEED の廣澤氏にも、そして、おそらく、B Dash Ventures にも、そんな壁を壊したいという思いがあるのだろう。

イベントでは、原田明典氏（DeNA 常務執行役員 CSO）、手嶋浩己氏（XTech Ventures 共同創業者 兼 代表パートナー）、山田進太郎氏（メルカリ創業者 兼 代表取締役 CEO）、鶴岡裕太氏（BASE 創業者 兼 代表取締役 CEO）、本田謙氏（フリークアウト・ホールディングス創業者 兼 代表取締役社長 Global CEO）、吉田浩一郎氏（クラウドワークス代表取締役社長 兼 CEO）、國光宏尚氏（Thirdverse 創業者 兼 代表取締役 CEO）らが先輩起業家として、若手起業家のピッチにコメントしていた。

このイベントは資金調達を意図したものではなかったが、先輩投資家の中にはエンジェル投資をしている人も多く、結果的にそのきっかけになるかもしれない。会場では多数の人がミングルしていて、筆者としては不覚であるが、混雑とプレゼンターのマイクの調子が良くなかったことから、ピッチの内容はほぼ聞き取ることができなかった。ピッチした若手起業家10人については、その様子を説明なしの写真を中心に紹介し、Web サイトがあるサービスについては、そのリンクを貼っておくので参照してほしい（紹介は登壇順）。