仕事でもレジャーでも使えるグループトークデバイス&アプリ「BONX」、NTTソノリティらからシリーズE調達

SHARE:
BONX の皆さん。最前列中央が CEO 宮坂貴大氏、宮坂氏の左が CTO の Daniel Sullivan 氏、宮坂氏の右が社外取締役に就任した粟飯原俊介氏。
Image credit: BONX

スマートフォンアプリと BlueTooth イヤフォンを組み合わせ、距離にとらわれずグループ通話が可能なソリューション「BONX」を開発・提供する BONX は24日、シリーズ E ラウンドで資金調達したことを明らかにした。このラウンドは NTT ソノリティがリードし、ロッテベンチャーズ・ジャパンが参加した。調達金額は明らかにされていない。これは、BONX にとって2021年9月に発表したシリーズ D ラウンドに続くものだ。前回ラウンドまでの累積調達額は、明らかになっているものだけで21.1億円に達している。

BRIDGE が BONX のことを初めて取り上げたのは2015年のことで(当時の社名は Chikei)、創業者で CEO の宮坂貴大氏がスノーボーダーということもあり、グループで遊びに来たときに、離れたメンバー同士が遊びながら手ぶらでコミュニケーションできるツールとして開発され、アウトドアスポーツでの利用が前面に押し出されていた。その後は、ビジネス向けの需要開拓に成功し、建設土木、医療介護、小売流通、宿泊、飲食など、さまざまな現場で利用されている。

Image credit: BONX

静寂を大事にしたい店舗などでは、店員が大声をあげて、遠くにいる店員に連絡を伝えることはためらわれる。フロアが複数にわたる店頭、空港や病院など、そもそも声が届かない施設ではトランシーバーが使われることもあったが、BONX は通信にモバイルや WiFi が使われているので、ユーザ間の距離に全く制約が無いのが特徴だ。同じ拠点のスタッフ同士はもちろん、音声のグループチャネルを複数作れるので、例えば、違う拠点にいるマネージャーのみが参加しているグループチャネルを作ることも可能だ。

NTT ソノリティは、NTT 研究所において培われてきた音響信号処理技術を活用した音響関連事業を行う企業で、2021年にスピンオフし設立された。最近では、音響ブランド「nwm(ヌーム)」を立ち上げ、独自技術「PSZ」を使い、オープン型なのに音漏れしないイヤフォンを発売している。リードインベスターを務めた NTT ソノリティと BONX が何をしようとしているのかは開示されていないが、「技術よリビジネス寄りの展開」ということなので、NTT グループの広いリーチを活用した事業展開と推測される。

BONX は当初 CEO の宮坂氏と共に BONX を創業した楢崎雄太氏が技術面をリードしていたが、ここ数年は専任の CTO は不在の状態が続いていた。BONX では今回の調達とあわせて、オーストラリア出身のハードウェア/ソフトウェア両面のフルスタックエンジニアである Daniel Sullivan 氏が CTO に就任したことも明らかにした。また、フェアリーデバイセズ CTO や Gunosy 広告技術部部長を務めた粟飯原俊介氏を社外取締役に迎えたことも明らかにした。

Members

BRIDGEの会員制度「Members」に登録いただくと無料で会員限定の記事が毎月10本までお読みいただけます。また、有料の「Members Plus」の方は記事が全て読めるほか、BRIDGE HOT 100などのコンテンツや会員限定のオンラインイベントにご参加いただけます。
無料で登録する