アウトドアスポーツの楽しみ方が一変するか? ウェアラブルトランシーバー「Bonx」が登場

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アウトドアスポーツの楽しみ方を一変させるかもしれないプロダクトが登場した。ウェアラブルトランシーバーの「Bonx」だ。クラウドファンディングサイトGREEN FUNDING Labで昨日からキャンペーンがスタートしており、すでに初日で目標額を大きく超え、華麗なスタートを切っている。

Bonxは片耳に装着するBluetoothイヤフォンと専用スマートフォンアプリによって構成されている。スキー、スノーボードなど、アウトドアのアクティビティ中に近くにいる仲間とスムーズにコミュニケーションを取ることを目的に設計されたものだ。

「アウトドアスポーツ中でもリアルタイムなコミュニケーションを可能にしたい」

アウトドアスポーツをやらない人にとっては想像しにくいかもしれないが「これまで、アウトドアのアクティビティ中に仲間とコミュニケーションを取る上ではさまざまな障害があった」と今回取材に応じてくれたBonxを開発するスタートアップChikeiのCEO、宮坂貴大氏は話してくれた。現在はスノーボード/スキーができる山の中でもかなりの範囲でモバイル通信が使えるものの、実際にスマホで仲間とコミュニケーションを取るためには、わざわざ服から取り出したり、手袋を外したりといった「面倒な動作」が多く、決してスムーズなコミュニケーションが可能とはいえなかったと宮坂氏は言う。

自身も長年スノーボードをやっており、子供にスノーボードを教えるNPOにも携わっていたという宮坂氏は、子供たちとコミュニケーションを取るために毎回止まって集合しなければならない状況に大きな疑問を感じ、「アクティビティ中でもリアルタイムでコミュニケーションがとれればいいのに」と感じていたという。こうしてアイデアが生まれて、開発がスタートしたBonx。そのコンセプトは、まさにアクティビティ中に簡単に撮影することを可能にした「GoPro」のコミュニケーション版といってもいいだろう。

さて、ハードウェアと専用アプリで構成される本製品だが、アプリとハードウェアがBLEとBluetoothの両方で通信可能になっている点が特徴だ。使い方としては、Bluetoothがスキャンした周囲の人がアプリに表示され、近くにいる人とグループを作成する。その後はハードウェアのボタンを押して、グループ間で通話をする。また、ユーザーの声を検知して自動で通信するハンズフリーモードも搭載されている。

長年のプレイヤーとしての当事者の視点が反映されているシンプルなUIが印象的だ。手袋をつけながらでもボタンを押せるように、大きいボタンと小さいボタンの二つのメインボタンのみになっており、アプリもまた現場の使い方に合わせてシンプルなUIになっている。また、会話をするときだけ通信する設計にしていることでバッテリーの消耗を抑えていることと、電波が弱い場所では音声を一時的に保存して、電波状態が回復次第、音声が届けられる仕組みになっている。アウトドアスポーツ中の電波の途切れや周囲の雑音といった「過酷な環境」にも対応できるよう、音声データ通信システム(特許申請中)と音声認識技術を独自に開発してきたという。

Bonxの主要チームメンバー:
Bonxの主要チームメンバー:(左より)CTO楢崎雄太氏、CEO宮坂貴大氏、CCO百崎彰紘氏、エンジニア齊藤穂高氏

Chikeiは、約1年前より開発を進めてきた。まずは日本とアメリカ市場を狙い、グローバルな展開を進めていくことを目指す。また、他企業との連携によってさらに機能を増やしていくことも考えているという。

アウトドアスポーツ市場はもちろんのこと、業務用トランシーバーの市場も含めると、事業展開先としてのポテンシャルを持つマーケットは大きい。今後、どのようにプロダクトと事業が発展していくか、大いに期待したい。

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