
クラウドサービスデスクソフトウェアのプロバイダーであるFreshdeskが、ユーザが友人同士で専門的アドバイスを得ることができるアプリを運営する小規模スタートアップFrilpを買収したと発表した。
Frilp(フリー・ヘルプの意味)の全従業員19名は、チェンナイにあるFreshdeskの開発センターに加わった。Android向けベータ版Frilpアプリはまもなく終了する。買収の条件は公表されていない。
この買収は、Freshdeskをカスタマーアプリに仕立てることを意図したものではない。むしろ、Fripのノウハウの助けによってFreshdeskが迅速に顧客の質問に答えるための、よりスマートで拡張性のあるツールになることを意図している。そしてそれは会社に直接勤務する人ではなく、顧客の友人を含め、手助けできる能力のある人を頼りにすることを意味している。
「私たちが把握しているのは、顧客がこれを求めており、『ピアツーピアのやり取りみたいなものができないでしょうか。こちらにはアクティブなユーザや顧客がいるからです』と言っていたことです」とVentureBeatのインタビューの中でFreshdeskのDilawar Syed社長は述べた。
狙いは、自然言語処理— Frilpの中枢を成していた技術—を用いてカスタマーサービスチケットからキーとなる語を抽出し、かつヘルプに一番良く対応できる人を探すことだ。
その動きは、Salesforce(同社はRelatelQの買収を通して手にした技術でより多くのことを行ってきている)、Zendesk、Atlassianなどとの競争にさらされる中で、Freshdesk側の先進的な考えのように見える。OracleやSAPをはじめとする、業務用のサービスデスクツールを扱う企業ソフトウェア供給業者がいる。
FreshdeskはFrilpの技術を3通りのやり方で取り込む予定であると、Syed氏は述べた。まず、Freshdeskは各顧客サービスの問い合わせを顧客の関心分野に最も精通する担当者へ転送を開始する。
次に、カスタマーフォーラムやコミュニティをたびたび訪れる知識の豊富な人たちを探し、その人たちと新しい問い合わせを持ち込む顧客とを結び付ける。
最後に、サービスデスクの問い合わせのある顧客と、その問い合わせを解決できるかもしれないソーシャルネットワーク上の友人を結び付けることを目指す。
これらすべては、企業の顧客サービスチームの負担を軽減するはずである。そしてそれが重要であるのは、顧客からのサポート要請の量が増え続けるその一方で、企業は「とりわけ北米市場では、カスタマーサービス担当者を雇い続けられずにいるからです」とSyed氏は述べた。
Freshdeskは、ここアメリカでは垂直型特化アプローチを取り、同社が最も大きい影響力を持ち、それによって最も多くのデータを持つ産業においてサービスを展開する可能性がある。サービス料金はまだ決まっていないと、Syed氏は述べた。
Frilpは2012年にスタートした。同社は、Freshdeskの共同設立者兼CEOであるGirish Mathrubootham氏、Groupon元幹部のDeva Kannan氏をはじめとするエンジェル投資家から50万米ドルの資金を調達した。また、同社はMicrosoft Venturesアクセラレータに参加した。
サンフランシスコを拠点とするFreshdeskは2010年にスタートし、450人ほどの従業員がいる。Freshdeskは4月、Tiger Globalが参加した資金調達ラウンドで5000万米ドルを調達したと発表した。同社は現在、145ヶ国に5万人以上の顧客がいるとSyed氏は述べた。
これはFreshdeskの2番目の買収となる。最初の買収はライブビデオチャットサービスの1CLICKだった。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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