
Zoom は、ジェネレーティブ AI に全力を注いでいる。3月に OpenAI との提携を発表した Zoom は16日、今度は AI スタートアップ Anthropic との提携を発表し、Anthropic の AI アシスタント「Claude」を Zoom の生産性プラットフォームに連携すると述べた。また、同社はグローバル投資部門を通じて、Google が支援する Anthropic への未公開の投資額を投じた。
MicrosoftがTeamsで AI のスマートな機能を展開し続け、Google が Workspace に AI を導入し、Salesforce が Slack GPT に注力する中、このパートナーシップは Zoom の AI への連携アプローチの一環として実現した。
しかし、Zoom は、プラットフォームの他のセグメントへの移行前に、まず Claude を組み込み、オムニチャネルコンタクトセンターを進化させるとしている。より広範囲な統合がいつ、どのように実行されるかはまだ公開されていない。
Claude は Zoom Contact Center でどのように役立つのか?
Zoom の Contact Center は、企業のカスタマーサポートを向上させるためのビデオファーストのサポートハブである。Zoom Virtual Agent や Zoom Workforce Management など、複数の製品が含まれている。
Anthropic との提携により、Zoom は Contact Center のポートフォリオ全体に Claude を連携し、エンドユーザの成果を改善するだけでなく、優れたエージェント体験を可能にするセルフサービス機能を構築する予定だ。
例えば、顧客の入力内容から顧客の意図を理解し、最適なソリューションに誘導したり、管理者がエージェントを指導するために利用できる実用的なインサイトを提供することが可能になる。
Zoom の最高製品責任者 Smita Hashim 氏は次のように述べている。
Anthropic の Constitutional AI(憲法 AI)モデルは、Zoom Contact Center ポートフォリオをはじめとする我々の次世代イノベーションに安全で責任ある統合を提供するために準備されています。Claude がエージェントを信頼できる解決策に導き、エンドユーザのセルフサービスを強化することで、企業は顧客との関係をさらにレベルアップさせることが可能となります。
今後、Zoom Contact Center では、Claude を利用してエージェントに適切なリソースを提供し、より良い顧客サービスを提供できるようになると、同社の広報担当者は VentureBeat に語った。また、Claude の機能は、チームチャット、ミーティング、電話、ホワイトボードなど Zoom プラットフォーム全体に拡大される予定だが、具体的な内容は明らかにされていない。
肩を組んでのアプローチ
Anthropic との提携は、Zoom が AI に対する連合的アプローチの最新の動きであり、自社独自のAIモデルに加えて、主要な AI 企業のモデルや選択した顧客独自のモデルを使用している。
Hashim 氏はブログ記事で次のように述べている。
このように複数の種類のモデルを柔軟に取り入れることで、お客様の多様なニーズに対して最も価値のあるものを提供することを目指しています。また、これらのモデルはカスタマイズ可能であるため、特定の企業の語彙やシナリオに合わせてチューニングすることで、より優れたパフォーマンスを発揮することが可能です。
Zoom は、会話型インテリジェンス製品である IQ のために、すでに OpenAI と協業している。実際、Zoom は3月、メッセージやメールの下書きを生成したり、チャットスレッドのサマリーを提供したりする機能など、OpenAI を利用した製品の複数の AI 搭載機能を発表した。この機能は、4月に一部の顧客向けに提供が開始された。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
BRIDGE Members
BRIDGEでは会員制度の「Members」を運営しています。登録いただくと会員限定の記事が毎月3本まで読めるほか、Discordの招待リンクをお送りしています。登録は無料で、有料会員の方は会員限定記事が全て読めるようになります(初回登録時1週間無料)。- 会員限定記事・毎月3本
- コミュニティDiscord招待