85℃の耐熱性、12時間漏れない——ブルガリア発、ビスケット製コーヒーカップ「Cupffee」が2.8億円をシード調達

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Image credit: Cupffee

<ピックアップ> Edible coffee cup developed to take bite out of single-use plastic sales

ブルガリアのブランド「Cupffee」は、これまでの可食容器のジレンマを覆し、使い捨てのコーヒーカップによる廃棄物を解決するために、85度の耐熱性と12時間漏れないビスケットカップを開発した。今年5月には、欧州イノベーション会議(EIC)とベンチャーキャピタルの Eleven Ventures から総額180万ユーロ(約2.8億円)のシード資金を調達した。

コーヒーを飲むときによく使われる紙コップは、本当に環境に優しいのか。サステナビリティの重要性が高まるにつれ、使い捨て持ち帰りカップの素材はプラスチックから紙コップへと徐々に変化しているが、紙コップの表面に加工された耐熱ポリエチレンラミネートはリサイクルが困難とされている。エコカップを持参するか、リサイクルカップなど、より環境に配慮した方法はないだろうか。

2023年5月末、ブルガリアの Cupffee は、85度の耐熱性を持ち、12時間コーヒー入れても漏れないビスケット製のテイクアウトカップを開発した。十分な資源を持つ Cupffee は、工業ベースでの大量生産に向けても動き出している。

Cupffee のCEOで創業者の Miroslav Zapryanov 氏は次のように振り返る。

すべては夢から始まった。私が勉強していたとき、自分の周囲が毎日コーヒーショップから出るプラスチックゴミに囲まれていることに気づいたのだ。使い捨てのコーヒーカップを、サステナブルで食べられるものに置き換えることができたらどうだろう?」

Image credit: Cupffee

これまで、熱くない飲料用に開発された可食容器は、耐熱性や食感の問題から、その用途が限定されていた。市場のギャップを認識した Cupffee は、85℃までの熱に耐えるだけでなく、飲み物を入れてからもビスケットを40分間サクサクに保ち、12時間液体が漏れないビスケット製のテイクアウトカップを開発した。

Cupffee は、小麦、砂糖、油、オーツ麦など7つの原材料を使用し、人工着色料や甘味料などの添加物を使用していない。Zapryanov 氏は「カップの風味は自然で、飲み物の味に影響しない。熱くても40分間はカリカリの食感を維持し、12時間は漏れない」と強調する。

Cupffee は2014年に設立され、2018年に小規模な生産を開始した。2023年に欧州イノベーション会議(EIC)からイノベーションのための助成金130万ユーロ(約2億円)を獲得した。先ごろ、UKAS(イギリス認証機関認定審議会)の認定を受け、イタリアのコーヒーブランド Lavazza との協業を開始している。

via FoodNavigator Europe

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