Alibabaが画像生成AI「通義万相」発表、北京大が法律LLM「ChatLaw」公開など——中国スタートアップシーン週間振り返り(7月3日~7日)

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「Tongyi Wanxiang(通義万相)」と ChatLaw
Image credit: Alibaba(阿里巴巴)、北京大学

本稿は、Technode(動点科技)が、7月3日〜7月7日に配信した「News Feed」記事の中から主要ニュースを翻訳したものです。

Alibaba(阿里巴巴)、Midjourneyに代わる「Tongyi Wanxiang(通義万相)」を発表(7月7日)

Alibaba(阿里巴巴)は7日、上海で開催された世界人工知能会議(WAIC)で、AIを活用した新しい画像生成ツール「Tongyi Wanxiang(通義万相)」を発表した。このジェネレーティブ AI モデルは現在、中国の法人顧客向けにベータテストを実施している。

Alibaba Cloud Intelligence(阿里雲智能)の CTO Jingren Zhou(周靖人)氏は、「高品質なジェネレーティブ AI 画像は、より身近なものになるだろう」と述べ、この製品が e コマースを含む幅広い分野の企業にとって重要なクリエイティブツールとして機能することを約束した。動点科技

ByteDance(字節跳動)、ストリーミングサービス「TikTok Music」を開始(7月7日)

ロイター通信によると、TikTok の親会社 ByteDance(字節跳動)は6日、ブラジルとインドネシアで「TikTok Music」と題した新しい音楽ストリーミング・サービスを開始した。これは、同社が9月5日に両国で既存の音楽ストリーミングサービス「Resso」を廃止する意向であることを受けたものだ。

TikTok Music のウェブサイトの情報によると、ブラジルでは8.5〜26.9レアル(約250〜790円)の間で3つの月額プランを提供する。これらの価格は、現在音楽ストリーミングサービス業界大手 Spotify が提供する価格よりも若干安い。ロイター

Alibaba(阿里巴巴)の家電ブランド「Tmall Genie(天猫精霊)」、LLM 端末の OS をテスト(7月6日)

Alibaba(阿里巴巴)のホームオートメーション機器ブランド「Tmall Genie(天猫精霊)」は6日、大規模言語モデル(LLM)端末のオペレーティングシステムの社内テストを開始した。Tmall Genie アプリのテストページには、4つの推奨対話シナリオ——知識探索、人間化された対話、ライフハック、創造的インスピレーション——が用意されている。資格のある参加者は、Tmall Genie 製品のファームウェアをオンラインで数秒以内にアップグレードでき、デバイスは音声、イントネーション、コンテンツ生成の機能で大きく変化する。

この進展は、電子機器のファームウェアやソフトウェアをアップグレードするための無線技術方式「Firmware Over-The-Air(FOTA)」を通じ、インテリジェントなハードウェア OS が LLM で動くシステムに完全に変化した業界初の出来事だ。現在のところ、どの Tmall Genie 製品が LLM で動く AIハードウェアにアップグレードされるかは不明だ。全天候科技

北京大学、中国初の法律特化大規模言語モデル「ChatLaw」をオープンソースでリリース(7月5日)

北京大学の研究チームが、法律知識に特化したオープンソースの大規模言語モデル(LLM)「ChatLaw」をリリースした。この対話データベースを構築するために、研究チームは法律ニュース、フォーラムへの投稿、法令、司法解釈、法律相談、中国司法試験、裁判所の判決など、大量の生のテキストを収集した。ChatLaw は現在3つのバージョン——「ChatLaw-13B」「ChatLaw-33B」「ChatLaw-Text2Vec」——を提供している。

ChatLaw-13B は Ziya-LLaMA-13B-v1 を元にしたもので、IDEA(数字経済研究院)の CCNL(認知計算与自然語言研究中心=認知コンピューティングおよび自然言語センター)から生まれたオープンソースの LLM だ。

ChatLaw-33B は、さまざまな中国語タスクで優れたパフォーマンスを発揮するが、複雑な法律問題に答えるには限界がある。ChatLaw-33B は、LLM「Anima-33B」で学習し論理的推論に優れているが、中国語コーパスの利用が限られているため、中国語の質問に答えることに苦労している。

ChatLaw-Text2Vec は、Google の言語表現モデル「BERT」と93万件の判決例を含むデータセットで学習させた類似性マッチングモデルで、ユーザの問い合わせと対応する法律の条文をマッチングさせる。

中国のニュースサイト「AIGC OPEN」によると、ChatLaw は現在、マルチターン対話インタラクションをサポートしており、類似製品と比較して、より専門的な法律パフォーマンスを示している。しかし、現在のところ、専門的な法律コンサルティング機能は含まれていない。AIGC OPEN

Tencent Cloud(騰訊雲)、ベクトルデータベース「AI Native(AI 原生)」を発表(7月5日)

Tencent Cloud(騰訊雲)は、大規模言語モデル(LLM)トレーニング、推論、ナレッジベースの補充シナリオなどに使用されるベクトルデータベース「AI Native(AI 原生)」を正式に発表した。この先駆的なデータベースは、アクセス、計算、ストレージの3層にわたるAIベースのクラウドライフサイクル管理を提供する。

報道によると、Tencent Cloud のベクトルデータベースは、ミリ秒レベルのレイテンシーを維持しながら、最大10億規模のベクトル検索に対応できるという。これは、従来のスタンドアローンのプラグインデータベースと比較して検索規模が10倍増加し、毎秒数百万のクエリというピーク性能も可能にするアップグレードである。36気

動画サイト「bilibili(嗶哩嗶哩)」、AI 検索機能をテスト(7月4日)

中国の動画プラットフォーム「bilibili(嗶哩嗶哩)」は現在、新たに開発した AI 検索機能の社内テストを行っている。ユーザはアプリ内で「AI アシスタントを検索(搜索 AI 助手)」と入力することで、内部テストへの参加を申し込むことができる。この機能を利用するには、参加者は検索キーワードの後に追加でクエスチョンマークを入力すれば、AI アシスタントが動画リンクとともに結果ページに関連する回答を提供する。

3月、bilibi の CEO Chen Rui(陳睿)氏は、AI が生成するコンテンツの導入により、同プラットフォームの検索機能が大幅に強化されると述べた。彼は、bilibili の製品レビュー動画の例を挙げ、ユーザは AI に助けを求めることで、数多くの動画から貴重な情報を得ることができると説明した。

私たちは、動画クリップを与えるか、動画をテキストに変換することで、動画の貴重な部分を直接ユーザに提供することができる。

IT 之家

Baidu(百度)、「ERNIE Bot(文心一言)」の iOS 無料アプリをローンチ(7月4日)

中国の検索大手 Baidu(百度)は、ChatGPT 風のサービス「ERNIE Bot(文心一言)」を搭載した無料の iOS アプリ(編注:日本のアプリストアからはダウンロード不可)を発表した。Baidu は現地メディアに対し、ERNIE Bot はまだベータモードであり、モバイル版リリースは「より良いテストを容易にする ものだ」と述べた。

招待コードを持っている人は自動的にモバイルアプリにアクセスでき、それ以外のユーザもアクセスを申請できる。アプリストアの製品説明によると、アプリは Web 版と同じ機能を提供し、ユーザは AI を搭載したボットとチャットしたり、アプリ内でプロンプトを送信したりできる。南方都市報

DataCanvas(九章雲極)、AI と データのアーキテクチャソリューションを発表(7月3日)

中国のデータアナリティクス企業 DataCanvas(九章雲極)は6月30日、2つの新製品「AIFS」と「DataPilot」を発表した。AIFS(AI Foundation Software)は AI アプリケーションインフラプラットフォームで、学習、微調整、圧縮、デプロイ、推論、監視など、大規模言語モデル(LLM)のライフサイクルの全段階をサポートする。また、小規模言語モデルのライフサイクル全般を処理できる。

一方、DataPilot は LLM を活用し、LLM のライフサイクルの各段階を通じて、インテリジェントかつ完全に自動化されたデータモデリングを可能にするデータアーキテクチャツールである。36気

車載用 SoC 開発の Black Sesame Technologies(黒芝麻智能科技)、香港での IPO を申請(7月4日)

車載用 SoC(System on Chip)企業の Black Sesame Technologies(黒芝麻智能科技)は6月30日、香港証券取引所に IPO 申請を行った。CICC(中国国際金融)と Huatai International(華泰国際)が共同で支援する。目論見書によると、調達した資金は、主に今後3年間の研究開発活動に充てられる。資金の約半分はインテリジェントな車載用SoCの開発に充てられる。

さらに、資金の4分の1はインテリジェント自動車をサポートするソフトウェア開発に充てられ、自動運転ソリューションの開発に割り当てられるのはわずか5%だ。残りの20%の資金は、ビジネス能力を強化し、円滑な企業運営のために確保される。財新

スマート LiDAR センサー開発の Robosense(速騰聚創)、香港での IPO を申請(7月3日)

スマート LiDAR センサーシステムの世界的リーダー Robosense(速騰聚創)は、香港証券取引所に IPO 申請を行った。JP Morgan と China Renaissance(華興資本)が支援する。中国の EV 分野で価格競争が激化する中、自動車メーカーはサプライチェーンにコスト削減の圧力をかけている。

多くの LiDAR メーカーは、販売量を増やすために製品価格の引き下げを選択している。現在、Robosense は赤字に陥っているが、日々の業務効率には影響がないと主張している。特定の要因を除いた2022年の純損失は5億6,300万人民元(約111億円)と報告されている。財新

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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