エッジコンピューティング向けAI・IoT活用プラットフォーム「AION」/KDDI ∞ Labo12月全体会レポ

ラトナ 代表取締役 大田和響子氏

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

AIおよびIoT向けの開発プラットフォーム「AION(アイオン)」を提供するのが2018年創業のラトナです。AIONはAIおよびIoTリソースの包括的な開発、実行、運用、管理を目的としたもので、エッジ環境やオンプレミス環境にAIリソース(学習済AIモデル、データセット、フレームワーク、実行環境など)をデプロイできる「AI Cores」やIoTリソースをデプロイできる「IoT Cores」など8つのコンポーネントを提供しています。

同社創業者で代表を務める大田和響子さんは、AIONの狙いについて次のように語ります。

センサーやカメラからのデータを、エッジコンピューティングというクラウドを使わずに通信できる技術を使って分析し、例えば工場の検品システムやロボットコントロールシステムなどの研究開発を進めてきたスタートアップです。このデータがリアルタイムにマネジメント層まで連携されることで、経営判断に関する情報を提供できることを目指しています。(大田和氏)

例えば製造・流通などの現場で幅広く採用されているSAPとの連携事例では、AIONとの組み合わせを通じて工場や物流、倉庫、プラントなど様々な産業シーンにおいて発生するデータ流通・運用を可能にするそうです。

ラトナではOSSを推進しており、AIONの全てのリソースをGitHub上で公開している

AION自体は元々、大手の企業向けに開発してきたものだそうで、SAPやオラクル、セールスフォースなどとの連携が可能で、全てのリソースはオープンソースとしてGitHub上で公開されているのも特徴です。

企業のデジタル化を推進しつつ、先端技術の研究開発を推進することから、2022年にはGoogleのスタートアップ支援プログラム「Google for Startups Accelerator Class 4」に採択されました。大田和さんは、AIONの具体的なユースケースとして、製造現場などのデジタル化推進を挙げて次のように説明します。

紙ベースで行われている業務をDX化していきましょうというコンセプトで(例えば)スマートフォンでQRコードを読み込んだり、バーコードを読み込んで在庫情報を簡単に管理できるようになっています。また、マネジメント層にはリアルタイムな情報を提供するダッシュボードも用意されており、経営判断に役立つ情報を提供しています。全ての機能はパッケージではなく、マイクロサービスとして提供されており、必要なモジュールを選んで導入できる仕組みになっています。(大田和氏)

なお、AIONの優位性はこのマイクロサービスとして提供されている点にあるそうです。例えばテスト中に問題がある箇所が発見しやすかったり、提供先の企業にとって不要な機能についてもパッケージングをまるごとリプレースするのではなく、いまあるシステムとうまく共存することができるメリットがある、というお話でした。

登壇の最後、大田和さんはラトナの目指すべき世界として次のように語り、プレゼンテーションを締めくくります。

工場ごとに使ってるシステムが違ったりしている状況が散見されるので、この辺をもう一度統合するために、エッジコンピューティングと現場の効率化をやってきました。最終的には基幹システムみたいなところに統合し、そこに全ての情報ができるだけリアルタイムで出ることによって、経営の意思決定であったり、無駄なところは削っていくことに繋げ、企業様の利益の最大化に貢献したいです。(大田和氏)

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