ジェネレーティブAIを活用、高精度なチャットボットを開発するカラクリ/KDDI ∞ Labo12月全体会レポ

代表取締役 CEO 小田志門氏

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

カラクリは、AIを使って、カスタマーサポート、より具体的に言えば、コールセンターの業務を革新しようとするスタートアップです。カスタマーサポートのデータを中心に、顧客対応の自動化やコールセンターの生産性を向上させることを狙いに掲げています。

web サイトにチャットボットを設置する企業は増えているものの、十分に満足できるものはまだあまりない。(小田氏)

例えば、自由入力ではなく選択入力で質問する必要があったり、企業側が予め問答パターンを用意していない内容に問い合わせがあると答えられなかったりなど、ユーザーや顧客が問い合わせしたときに制約が多いと、結局のところ、人が対応しなければならなかったり、その問い合わせが対応に時間を要するコールセンターに電話でかかってきたりします。

カラクリではこの問題を、ハイブリッドAIによって解決しました。小田氏によれば、チャットボットで寄せられる質問は、大まかに言って、よくある質問2割と、あまりない質問の8割に分類されるそうです。

カラクリでは、よくある質問2割については定型AIで、あまりない質問の8割についてはジェネレーティブAIを使って回答するようにしました。2つのAIを組み合わせて使っているのでハイブリッドAIと呼んでいるわけです。ジェネレーティブAIは、顧客のwebサイトのFAQやメールを検索し、得られた情報を元にユーザーに回答します。

このハイブリッドAIの中では、ジェネレーティブAIは既存のGPTを使っているものの、検索エンジンやデータの前処理については、社内で独自開発しているとのことでした。社内の従業員の多くをAIエンジニアが占める同社では、AIに関連する独自AIの開発にも積極的で、AWS(Amazon Web Services)の協力で独自のLLMも開発中とのことでした。

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