和製動画生成AIの真骨頂、EmbodyMeがリアルタイムで自分のアバターを動かせるアプリ「xpression avatar」を公開

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東京を拠点とする EmbodyMe は19日、リアルタイムで自分のアバターを動かせるアプリ「xpression avatar」をローンチした。iOS と Android で利用できる。このアプリでは、独自のリアルタイム動画生成 AI 技術を駆使し、ユーザのアバター画像から顔の表情や頭の動きに即座に反応し、多様なスタイルの映像をリアルタイムで生成できる。

EmbodyMe は2016年に創業以来、VR アプリの「EmbodyMe」、顔を置き換えられるアプリ「xpression camera」、ChatGPT と連携した新しい VR アプリ「xpression chat」、など、映像生成分野で複数のアプリを開発してきた。今回の xpression avatar では、ユーザがアップロードした写真から AI がさまざまなスタイルのアバター画像を生成する。

選べるアバターのスタイルは、アニメ風、浮世絵風、ヒューマノイド風、90年風、ヒップホップ風など。ユーザは自分の動きに合わせてアバターを動かせるだけでなく、好きなセリフを話したり、ボタンをタップすることでアバターが笑ったり、歌ったりする機能も備えている。生成された映像は SNS でも共有したり、アバターが投影されたスマホ画面を配信したりすることも可能だ。

Image credit: EmbodyMe

xpression avatar が EmbodyMe の集大成とも言える点は2つあると言える。一つは、上で書いたプリセットされたスタイルに加え、自由にテキストプロンプトでスタイルを指定できる点。EmbodyMe 代表取締役の吉田一星氏によれば、プロンプトの解釈については、Stable Difussion の LLM をカスタマイズして使っているという。

もう一つは、リアルタイムで映像生成できる独自 AI を開発した点。しかも、映像処理はクラウドではなく、エッジデバイスであるスマートフォン上で行われる。スマートフォン上でリアルタイムに高度処理できる AI は、EmbodyMe が他者の追随を許さない技術の真骨頂だ。クラウドに依存しないので、EmbodyMe はユーザが増えたからといって、計算リソースを増やす必要もない。

xpression avatar はフリーミアムモデルで、主要な機能は無料で使えるが、構図が単一の Basic Avatar と、構図に自由度がある Special Avatar があり、Special Avatar についてはアプリ課金される。EmbodyMe ではこのアプリを C 向けに展開すると同時に、同じ技術を使って、映像制作、広告、ライブ配信、ゲームなどに法人ソリューションを提供していきたい考えだ。

動画のジェネレーティブ AI の分野では最近、アメリカで MetaStable AI がそれぞれ独自ソリューションを発表したのに加え、Runway が Getty Images と提携し、映画や広告業界向けにジェネレーティブ AI 動画モデルを開発することを明らかにした。Pika Labs は創業から6ヶ月で、評価額2億米ドルを記録したことが明らかになっている。

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