妊娠育児支援「Mummy Talk」運営が22億円、異種ロボ横断管理Clobotが12億円調達——韓国スタートアップシーン週間振り返り(12月18~22日)

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Image credit: Mummy Talk, Clobot

12月18日~12月22日に公開された韓国スタートアップの調達のうち、調達金額を開示したのは11件で、資金総額は610.5億ウォン(約67億円)に達した。

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主なスタートアップ投資

  • デジタルヘルスケア企業 Humanscape(휴먼스케이프)が200億ウォン(約22億円)を追加調達し、合計400億ウォン(約44億円)の調達でシリーズ C ラウンドをクローズした。同社は、希少疾患統合ソリューション「Rarenote(레어노트)」、妊娠/育児プラットフォーム「Mummy Talk(마미톡)」を運営している。調達した資金を使って、サービスの高度化、グローバル市場への進出を加速する計画だ。
  • ロボット専門ソフトウェア「Clobot(클로봇)」がプレ IPO ラウンドで110億ウォン(約12億円)を調達した。ロボットサービスに必要な自動運転技術などを保有する。2024年に KOSDAQ に上場する計画だ。
  • ウェブトゥーンジェネレーティブ AI サービス「Lion Rocket (라이언로켓)」が60億ウォン(約6.6億円)を調達した。画像ジェネレーティブ AI「GENVAS(젠버스)」を運営し、10枚の学習用イメージだけでキャラクターをリアルタイム実装できる。韓国と日本で15社以上のコンテンツメーカーとコラボレーションを進めている。

トレンド分析

シリーズ A ラウンドの調達、下半期も下落傾向との結果に

昨年から本格化した投資悪化に最も大きな打撃を受けたのはグロースステージのスタートアップだった。今年はグロースステージはもちろん、アーリステージのスタートアップも危機を感じるほど、あらゆるステージで資金調達が難しい一年だった。アーリーにも関わらずビジネスモデル検証を終えて市場需要を確認し、成長が期待されシリーズ A ラウンドのスタートアップも資金調達に困難を経験した。

数値で見ると、シリーズ A ラウンドの調達件数は昨年、四半期あたり60~70件以上を記録したのに対し、今年は50件を超える四半期が存在しなかった。市場の低迷によって企業価値が低下し、資金調達額も下落した。シリーズ A ラウンド調達額の平均と中央値を比較すると下落幅を確認できる。

昨年と今年全体を比較してみると、平均資金調達額、中央値、標準偏差ともに低い数字だった。昨年はシリーズ A ラウンドの平均調達額が80億ウォン(約8億円)台で、中央値も60億ウォン(約6億円)台だったが、今年は平均調達額が60億ウォン(約6.6億円)台、中央値も50億ウォン(約5.5億円)台と低かった。投資件数も30件以上下落した。標準偏差分布も狭く、小規模投資が多かったと見られる。

また昨年、シリーズ A ラウンドの最大調達額は1,000億ウォン(約100億円)だったが、今年の最大調達額は712億ウォン(約78億円)だった。また、昨年四半期単位での最大調達額も400億~1,000億ウォン(約40億~約100億円)にまで上ったが、今年は100億~700億ウォン(約11億〜約77億円)で、大規模調達したスタートアップ同士の間でも二極化する現象が見られた。

今年全体を通してみると、昨年第4四半期以降、下落した値に大きな変化は見られなかった。第3四半期に一部少数企業が大規模調達したため平均値が一時的に上昇したが、再び第4四半期には40億ウォン(約4.4億円)以上下落し、中央値は第4四半期に最も下落し、値は改善がされなかった。投資件数も平均して30件台に留まった。一部のスタートアップは依然として大規模調達を進めている中、全体的な調達額分布は小規模に移行したと見られている。

保守的な見方に転じた投資家は、初期投資でも成長可能性が高いスタートアップに資金を集中している。企業価値の下落により、過去と同じ条件にあるスタートアップでさえ、手持ちの資金は少ない状況だ。来年も同様の投資基調が維持されると予想される中で、スタートアップは、さまざまな戦略で収益性の改善と成果創出に集中する必要性が大きくなった。

【via StartupRecipe】 @startuprecipe2

【原文】

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