ChatGPTがByteDanceからのアクセスを遮断、50RがLuckin Coffeeに賠償請求など——中国スタートアップシーン週間振り返り(12月18~22日)

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上海の Bytedance(字節跳動)ビル受付で働くスタッフ
Image credit: TechNode/Emma Lee

本稿は、Technode(動点科技)が、12月18日~12月22日に配信した「News Feed」記事の中から主要ニュースを翻訳したものです。

Douyin(抖音)、Meituan(美団)に対抗し初の高級レストランガイドをリリース(12月21日)

中国の TikTok の兄弟会社で、オンデマンドのローカルサービスに以前に増して注力している Douyin(抖音)は19日、中国の14の1線都市と新1線都市をカバーする高級レストランリストを初めて発表した。高級料理を提供するレストラン175店を一覧したレポートは、Meituan(美団)の「Black Pearl Guide(黒珍珠餐厅指南)」への対抗のようだ。当初ガイドの候補に挙がったレストランとカフェのうち、500店すべてがすでに Douyin にアカウントを開設しており、ほとんどが短編動画で宣伝している。

Douyin の店舗ビジネス担当副社長である Li Wei(李煒)氏は、ガイドのリリースイベントで、このプラットフォームはユーザにとって「本当に行く価値があり、手頃な値段で行ける」良いレストランを選びたいと述べた。中国のテック系メディア LatePost(晩点)は以前、Douyin が今年上半期に1,000億人民元(約2,000億円)のローカルライフサービスを生み出したと報じた。抖音

タイの50R Group、Luckin Coffee(瑞幸咖啡)に410億円を賠償請求か(12月20日)

タイの報道を引用し中国メディアが伝えたところによると、中国の Luckin Coffee(瑞幸咖啡)とほぼ同じロゴを持つタイのコーヒーチェーンが、Luckin Coffee に100億タイバーツ(約410億円)の金銭的損失を請求しているという。

タイ企業50R Group は起訴状の中で、Luckin Coffee が告発したロゴが似ているとされるタイの店舗に対して、12月1日に裁判所が最終判決を下す前に「繰り返し商標の使用中止を強要し、その財産を強制的に差し押さえた」と指摘した。

Luckin Coffee は20日、公式 Weibo(微博)のアカウントに、この主張は「まだ検証されていない」と投稿し、訴訟の進展に本当にショックを受けていると付け加えた。Luckin Coffee は先ごろ、東南アジア諸国における50R Group の商標権侵害を主張する訴訟で敗訴した。瑞幸咖啡

Xiaomi(小米)、スマートドアロックが誤って開いてしまう懸念に対応(12月19日)

Xiaomi(小米)は18日、同社のスマートドアロックが誤って開いてしまったという報告を受け、ユーザの懸念に対応した。Xiaomi は、関連動画で紹介されている製品は、インラインCレベルロックシリンダーを備えた半自動ロックボディを採用していることを明らかにした。これらのモデルにはロックタングの自動引き込み機能がなく、自然開錠の可能性を排除している。ドアが完全に閉まっていない場合や、ドアフレームの設置許容範囲が大きすぎる場合には、ドアが自動的に開く理論的シナリオが存在する。

Xiaomi は、スマートドアロックはネットワーク遠隔解錠をサポートできないと強調した。Xiaomi によると、エンジニアが製品の現場検査を行ったが、動画にあるような状況は再現されなかったという。同社はまた、第三者機関を招いて製品のテストを実施する予定だと付け加えた。小米

「原神」開発の HoYoverse(米哈遊)、Huawei(華為)と協業へ(12月19日)

HoYoverse が「HarmonyOS」のために特別に設計された専用ゲームを作成する予定であると Huawei(華為)が月曜日に発表した。

Huawei は今年もスマートフォン向けに HarmonyOS を進化させ、iOS や Android の対抗馬として位置づけている。その可能性にもかかわらず、HarmonyOS は限られたアプリケーションしかサポートしていないという課題に直面しており、Huawei はアプリエコシステムを強化するために複数の中国企業と協力するよう促している。

現在、Huawei の HarmonyOS との提携を発表している国内の主要アプリケーションやプラットフォームには、Alipay(支付宝)、Weibo(微博)、NetEase Games(網易遊戲)、Meituan(美団)、bilibili(嗶哩嗶哩)、Xiaohongshu(小紅書、またの名を RED)、Amap(高徳)、DingTalk(釘釘) などがある。華為雲

Gaotu(高途)の株価が20%下落、ライブコマースの視聴者が競合に戻ったため(12月19日)

中国のオンライン教育企業 Gaotu(高途)の株価が18日に20%近く下落したのは、ライブストリーミングの視聴者が競合の East Buy(東方甄選)の Douyin(抖音)チャンネルに戻ったためである。先週、ニューヨーク上場の Gaotu の株価は58%急騰したが現在は半減した。以前の急騰は、現在の Gaotu の e コマース事業の持続可能な成長見通しを正確に反映していない例外のようだ。

Gaotu は、かつて放課後の家庭教師コースを提供する企業だったが、1年前にライブコマースに移行し、オンライン語学レッスンと e コマースを融合させてバイラルな成功を収めた East Buyと 同様の動きを見せた。Gaotu はこの2週間で Douyin のフォロワーが8倍に増加し、Douyin で約250万人のフォロワーを獲得した。

現在の株価は、中国政府が「二重引き下げ」と呼ばれる政策を導入し、民間の営利教育企業に前例のない打撃を与えた2021年のピークと比べると、まだ97%近く低い。New Oriental(新東方教育)の子会社である East Buy は昨年6月、家庭教師だったホストが英語を教え、同時に商品を販売するというライブ配信で予想外の成功を収め、インターネット上で大きな注目を集めた。動点科技

OpenAI、ByteDance(字節跳動)の「ChatGPT」へのアクセスを一時停止(12月18日)

OpenAI は、ByteDance(字節跳動)がほぼすべての段階で独自の大規模言語モデル(LLM)を訓練するため、OpenAI の API を密かに使用しており、ChatGPT のアウトプットを使用して競合 AI モデルの開発を禁じている ChatGPT クリエイターのビジネス規約に違反しているとテックメディア「The Verge」が報じたことを受けて、ByteDance のアカウントを停止した。

ByteDance は以前、GPT が生成したデータを「モデルのアノテーション」に使用していたことを認めたが、このデータを今年の中頃にすでに削除していた。

ByteDanceは、GPT の利用のほとんどを Microsoft の Azure を通じて実施しており、OpenAI の広報担当者はその利用が最小限であることを認めている。OpenAI は、利用規約違反の可能性について全面的な調査を行う間、ByteDance のアカウントを停止することにした。財新

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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