リモートワークの悩みの種、大容量ファイルのDL待ちが不要になるチームコラボプラットフォーム「Lucidlink」

リモートコラボレーションは多くの企業で新しい常識となりつつあるが、デザインや映像制作などのクリエイティブなプロジェクトでは、デザインファイルや映像ファイルは通常のファイルとは特性が異なるため、オンラインで直接コラボレーションすることができない。

クラウドにファイルをアップロードし、ダウンロードすることも解決策の一つだが、デザインファイルや動画ファイルは容量が大きく、アップロードやダウンロードに時間がかかるのはもちろんのこと、大規模プロジェクトではストレージ容量も高額になるため、チームでのデータ移行は困難を極める。

Lucidlink は、ファイルのダウンロードや同期を待つことなく、リアルタイムで大規模なプロジェクトを処理できるコラボレーションプラットフォームを提供している。設立から7年で最大7,500万米ドルを調達し、累積調達額が9,000万米ドルに達した。同社は40カ国のチームに、10億個以上の大容量ファイルを保存するサービスを提供している。

Adobe や iconik のツールと連携、ファイルのダウンロード時間を節約

2016年に設立された Lucidlink のコンセプトは、かつてクラウドデータストレージの DataCore でエンジニアとして働いていた George Dochev 氏によってスタートした。彼はエンジニア時代、必要なファイルがあちこちに散らばっていて困っていたため、新しいコラボレーションプラットフォームを構築することを決意し、製品化を実現するため、DataCore の元同僚 Peter Thompson 氏に声をかけた。

Lucidlink 共同創業者の2人。左から：Peter Thompson 氏、George Dochev 氏
Image credit: Lucidlink

Lucidlink は全プロセスを2段階に分けている。Lucidlink 自身がファイルの転送と保存を担当し、Lucidlink と連携する Adobe、Iconik、Final Cut Pro などのサービスが編集を担当する。

Lucidlink は Adobe Premier と連携しているため、字幕や特殊効果を担当するスタッフは Lucidlink のプラットフォーム上のファイルをクリックすると、直接 Adobe Premier の編集ダッシュボードに戻って作業を行える。ファイルを再ダウンロードして同期されるのを待つ必要がない。

リモートワークにおけるクラウド容量不足を軽減

Lucidlink のストレージプラットフォームは、大容量のファイルやデータセット、遠隔地の多国籍チーム向けに設計されているため、ストレージスペースはこれらのクリエイティブワーカー向けにカスタマイズする必要があった。

以前は、多国籍チームが Adobe Creative Cloud や Asana などのクラウド管理ツールを使ってリアルタイムでコラボレーションするのが一般的だった。クラウドストレージは距離の問題は克服できるものの、Google Drive や Dropbox で共有するファイルが特大になるため、多国籍チームにとって過大なストレージコストが追加される可能性がある。また、ファイルが大きくなりすぎたり、複雑になったりすると、その容量に応じて拡張しなければならず、アップグレードしたくない場合は、定期的にクラウドファイルを整理する必要がある。

既存のクラウドストレージツールとの差別化を図るため、Lucidlink のチームはストレージ容量を拡張することで、大容量ファイルによるコスト増問題を解決した。 Lucidlink のソリューションの価格はテラバイト単位で、提供する機能によって3つのプランに分かれており、基本版は20米ドル（約630台湾ドル）、中級版は40米ドル、上級版は80米ドルとなっている。