保険比較アプリ運営が23億円、web3ソーシャルカジノ開発が13億円調達など——韓国スタートアップシーン週間振り返り(11月27日~12月1日)

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左から:保険比較アプリ「Signal Planner」、ブロックチェーンソーシャルカジノ「Vegastopia」
Image credit: Habit Factory, Utopia Games

11月27日~12月1日に公開された韓国スタートアップの調達のうち、調達金額を開示したのは9件で、資金総額は501億ウォン(約56億円)に達した。

主なスタートアップ投資

  • マイデータ(訳註:韓国における、いわゆる「情報銀行」のこと)を活用したフィンテックスタートアップ Habit Factory(해빗팩토리)が206億ウォン(約23億円)を調達し、累積調達額は344億ウォン(約38億円)に達した。保険比較&おすすめアプリ「Signal Planner(시그널플래너)」を運営し、AI ベースの相談でカスタム商品案内を提供している。アメリカ法人では、現地の住宅担保ローン専門銀行の許可を取得した。
  • ブロックチェーンベースのオンラインソーシャルカジノプラットフォーム「Utopia Games(유토피아게임즈)」が120億ウォン(約13億円)を調達した。東南アジアでのローンチを皮切りに、グローバル市場に進出する予定だ。
  • ビューティーブランド運営の Olive International(올리브인터내셔널)が100億ウォン(約11億円)を調達した「Milk Touch(밀크터치)」「Sungboon Editor(성분에디터)」などビューティーブランドが国内外で安定的に成長し、海外進出を加速する。今年上半期の売上高は270億ウォン(約30億円)に達した。

トレンド分析

下半期の調達をリードするのはこの分野

今年第3四半期に入って投資硬直が少しは緩和された姿を見せている。Startup Recipe のデータによれば、上半期に資金調達された資金総額が、下半期がスタートして11月までに調達された金額とほぼ同等であることを考えると、12月までの下半期全体での資金調達額は上半期より増えると予想される。

一企業当たりの投資額は、下半期に確実に増加した。100億ウォン(約11億円)以上を調達した企業数も11月までで上半期より25社多く出ており、全体の投資件数も下半期に拡大したことが分かった。しかし、上・下半期の総資金調達額の差は大きくないことがわかった。したがって、下半期を回復期と呼ぶのはまだ早いと思われる。

上・下半期最大の資金調達は、いずれの期でも2,000億ウォン(約220億円)台の資金を確保した Tossbank(토스뱅크)だった。Tossbank の影響で、下半期全体の調達をリードした分野はフィンテック分野であることがわかった。

分野別に見ると、ファッションプラットフォーム中心に大規模な資金が流入したコンシューマテックが依然として強い中、ソフトウェア分野は AI スタートアップ活躍で下半期に急激な成長を記録した。上半期より2倍以上の資金が集まった AI 半導体企業をはじめ、国内の主要なジェネレーティブ AI スタートアップが大規模調達に成功した。

大きな成長を見せたもう一つの分野はヘルスケア/バイオだ。特にデジタルヘルスケア投資が下半期に大きく追い込まれ、この分野全体の投資誘致金は30%以上増加した。バイオ・製薬は上昇傾向には乗っていないが、AI ベースの医療機器などヘルスケア市場のデジタルトランスフォーメーションをリードする企業の活躍が目立った。

モビリティは電気自動車充電インフラを中心に上半期から下半期まで着実な資金が流入している。上半期にはほとんど停滞していたブロックチェーンスタートアップも、下半期には web3、ゲーム分野で投資が行われた。

下半期に入って100億ウォン(約11億円)以上の投資が停滞していた分野もあった。物流/配送、不動産/プロップテック、環境/エネルギー/持続可能性の分野では、大規模な投資がなかったことがわかった。

【via StartupRecipe】 @startuprecipe2

【原文】

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