CESで発見「生活を変える」注目13デバイス(後編)ヘルスケアとサステナビリティ

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デジタルヘルスとサステイナビリティ・スタートアップたち

前半からのつづき。今年のCESでは、健常者の生活をより豊かにするプロダクトのみならず、基本的な生活に不便があるマイノリティの人々を支えるテクノロジーの活用が際立っていたように思う。後半となる本稿では、スタートアップばかりが集まる展示エリア「Eureka Park」で出会った、私たちの生活にインパクトを与えてくれそうなサービスを紹介する。

虫刺されに熱で対応する「heat it 」

Photo by Yukari Mitsuhashi

今年の夏、蚊に刺されたら「heat it」の出番だ。USBのような小型デバイスをスマホの充電ポートに差し込んで使う。痒みの原因となるヒスタミンの作用を、患部を約51度で短時間温めることで分解して痒みを解消してくれる。

このハイパーサミア(温熱療法)の効果は医学的にも確認されているという。専用アプリ連動で、子どもなどの繊細な皮膚にも対応できるように12種類のモードを使い分けられる。フルに充電されたスマホなら、1000回使えるという。アマゾンジャパンで5,483円(記事執筆1月20日時点)。2018年にドイツで創業された。

スマホ連動の尿検査をベースに健康促進する「Vivoo」

Photo via. Vivoo

開発に6年かかったという「Vivoo」は、90秒で身体が必要としている栄養素を教えてくれる。水分補給が十分にできているか、カルシウム、ビタミンC、タンパク質などの検査結果をもとに、栄養士や医師などが栄養やライフスタイルについてのアドバイスをくれる。また、テスト結果をもとに、カスタマイズされたサプリメントの販売もある。その都度健康状態を数値で確かめられるため、生活改善のいいモチベーションになりそうだ。Vivooのキットは米アマゾンでも購入可能で、4回分で39.99ドルだ。

脱毛を6ヶ月間で取り戻すウェアラブル「Niostem」

Photo by Yukari Mitsuhashi

一本も髪の毛がないように見える禿げた頭にも、10万を超える毛包があるらしい。発毛を促進する「Niostem」のウェアラブルは、微弱電流を使って刺激を与えることで睡眠状態にあった毛包の幹細胞が再起動し、発毛はもちろん、より太く丈夫な毛が生えてくるようになる。

同社が22人の被験者を対象に6ヶ月間の使用テストを行ったところ、使用開始3ヶ月で脱毛の停止を経験したのは95.4%、86.3%が髪の密度の上昇や発毛を報告した。使用開始から6ヶ月では、どちらの数値ともに100%に到達した。

歩き方の効率を健康向上に繋げる「EvolveMVMT」

Photo by Yukari Mitsuhashi

歩くことの大切さは皆が知るところだが、歩き方にも良し悪しがあるという。足首につけるウェアラブル「EvolveMVMT」は、歩数だけでなく、ユーザーの”一歩”のクオリティーを解析する。正しい一歩で筋活動が上がるため、消費エネルギーが最大36%上がるだけでなく、正しい歩き方で関節への負荷も和らげられる。オンラインで499米ドルで販売されている。

マイクロプラスチックのフィルター洗濯機「Matter」

Photo by Yukari Mitsuhashi

地球の海に浮かぶ170兆を超えるマイクロプラスチック。微細なため回収が難しく、生物や人体に深刻な影響をもたらしている。マイクロプラスチックが海に流れ出る原因に、私たちは毎日のように行う洗濯がある。洋服の60%は、プラスチックファイバーという繊維によって作られており、洗濯機をまわす都度、70万ものマイクロファイバーが排出されているという。

イギリス発の「Matter」のフィルターデバイス「Gulp」は、洗濯機に取り付けることで90%のマイクロプラスチックを回収し、リサイクルしてくれる。現在は後付け製品のみだが、家電メーカーと協業し、備え付け洗濯機の開発に動いている。

食品ロスと3Dフードスキャナー「NuviLab」

Image Credit :NuviLab

2023年に引き続きCESに登場した韓国の「NuviLab」は、非接触型の3Dフードスキャナーを開発している。レストランや社食、病院などあらゆるフードサービスの場にすでに導入されており、ユーザーごとに食事の摂取量や残量を正確に測ることでより細やかな健康管理が可能にする。企業や団体は、作りすぎの防止や仕入れの最適化、残飯処理コストの削減、メニュー改善などに活かすことができる。

空気を飲み水に変える「Kara」

Photo by Yukari Mitsuhashi

空気内の湿気を、最多1日10リットルの安全なアルカリ水に変えてくれるウォーターサーバー「Kara」。水道水に含まれる塩素(カルキ)や微生物、ペットボトルの水に含まれるマイクロプラスチックなどを心配する必要はない。不純物が少なく純度の高い水を指す純水度は、99.9999%に及ぶ。Karaのウォーターサーバーは4,899ドルで販売されている。フィルター(149ドル)は年に1度の交換で済む。

10か国語をリアルタイムに翻訳するスマートグラス「SolosTranslate」

Photo via. Solos

2023年9月に発売された「Solos AirGo 3 スマート グラス」。メガネを着用するだけで、内蔵スピーカーが相手の話し声を拾い、スピーカーが選択した言語での翻訳をささやかに読み上げてくれる。メッセージの読み上げ機能もある。

独自システムとChatGPTから成る翻訳システムは、日本語や英語、中国語を含む10か国語に対応している。アプリを開いてボタンを操作するといった手間なく、スマートグラスを着用するだけでいいため、ビジネスシーンでの活用をよりスマートにしてくれそうだ。Solos AirGo 3 スマートグラスは、199〜299ドルで販売されている。

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