グローバル・ブレイン、シードアクセラレータ「XLIMIT」第2期デモデイを開催——「Memoria」「Qlay」など5サービスがピッチ

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Image credit: Masaru Ikeda

グローバル・ブレインは11日、都内でシードアクセラレータ「XLIMIT(クロスミット)」の第2期デモデイを開催した。2022年の第1期に続くもので、今回は5社が採択され、グローバル・ブレインの社内外の投資家らによるメンタリングを中心に2023年10月から2024年1月かけて実施され、プロダクトやビジネスモデルなどのブラッシュアップを行なった。

このプログラムでは、参加したスタートアップがシード資金を調達できることを念頭に置いており、デモデイには多数のシードラウンド投資家が招かれた。5社のうち、観覧者投票による「Audience Award」は「Qlay」を開発する Qlay Technologies、審査員評価による「XLIMIT Award」は「Memoria」を開発する Flamers に、それぞれ授与された。

審査員を務めたのは次の方々だ。

  • 河野純一郎氏(ANRI ジェネラルパートナー)
  • 久保田雅也氏(KBTM)
  • 小玉丈氏(三井不動産 ベンチャー共創事業部 共創業務グループ グループ長)
  • 百合本安彦氏(グローバル・ブレイン 代表取締役)

【XLIMIT Award】Memoria by Flamers(担当メンター:グローバル・ブレイン 立岡恵介氏)

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一般的なマッチングアプリは、リアルで会うためにオンラインでやり取りをする。したがって、実際に好みの相手に会えたら、もうそのマッチングアプリは使わなくなるため、LTV(ライフタイムバリュー)も限定的なものになる。また、リアルで会うことを前提に作られているため、例えば、東京にいるユーザが違う地域に住んでいるユーザと出会う設計にはなっていない。そこで考えられた「Memoria」は、恋愛に特化したメタバースだ。東京大学や北海道大学の学生らを中心に2019年に創業した。

Image credit: Flamers

Memoria ではアバターを使っているため、男女は共に容姿にこだわることなく、気の合う相手を探すことができる。活動空間はメタバース上なので地理的制約もない。体目的の男性は来ないため、女性も安心して参加できる。面白いのはリアルで付き合い始めてからも Memoria 上でデートを続けるカップルが多いことだ。実際のところ、代表取締役の佐藤航智氏は Memoria 上で出会った女性と婚約しており、恋愛特化メタバースの可能性を Flamers 創業者が自らの人生で立証した形だ。

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【Audience Award】Qlay by Qlay Technologies(担当メンター:Salesforce Ventures 細村拓也氏)

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Qlay」は、消費財メーカーの商品開発やマーケティング担当者向けの大規模言語モデル(LLM)を活用した消費者リサーチツールだ。オンライン上の口コミや SNS の投稿から消費者インサイトを抽出し、それらの分析結果をダッシュボードに一括表示し可視化する。膨大な数の口コミや SNS のデータの読み解き作業がわずかな時間で完了するのが特徴だ。ユーザ対象は主にマーケティングやリサーチ担当者で、商品企画やマーケティング業務の効率化を支援する。

Image credit: Qlay Technologies

消費者分析においては、デスクリサーチ、定量分析、定性分析の3つが存在する。デスクリサーチや定量分析についてはすでにツールが紹介されているが、消費者分析の6割を占める定性分析については有用なツールがなく、多くは担当者が手作業で処理している。Qlay を使えば、分析に1ヶ月かかっていたような作業を数分で完了できるようになる。現在、ビューティー系の消費財メーカーなどと PoC を実施しているという。

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複業先生 by LX DESIGN(担当メンター:ジャフコグループ 坂祐太郎氏)

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LX DESIGN が運営する「複業先生」は、学校と外部人材を結ぶ出前授業のマッチングサービスだ。代表取締役の金谷智氏は、東京都港区での教員経験を基にこのサービスを開発した。「複業でいいから、先生をやってよ」というコンセプト登録者を集め、登録者は審査完了後、学校の先生から授業の依頼を受け付けることができる。評価やレビューにより、先生と登録者は安心した体験ができ、学校は業務負荷の軽減や人手不足の解消を実現している。現在、300以上の学校で導入され、3000学校が導入を待っているという。

Image credit: LX Design

LX DESIGN は昨年、教育大手のベネッセコーポレーションから出資を受け、全国の教育委員会教育長向けの営業で連携を開始した。教育課程全体での質量両面の教員不足が顕在化している中で、教員の業務負荷や人手不足の解消だけでなく、教員の働く体験や環境予算の政策決定プロセスにも介入し、学校現場のデジタル化と共に、教育改革に貢献することを目指す。具体的医には、教員が従来属人的に行っていた保護者連絡や生徒面談、学級通信などをデジタル化し、学校現場の業務を効率化する取り組みを進めている。

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あすいく by grow&partners(担当メンター:W 東明宏氏)

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grow&partners が子供を持つ母親にアンケートしたところ、育児の最大のストレスが「親がひとりの時間をもてない」ことであることが明らかになった。また、親のひとり時間の確保が日本の育児において重要な課題である一方で、子供を預けることに罪悪感を感じる母親が77%もいる。そこで同社が開発したのが一時保育の検索・予約システム「あすいく」だ。従来からある一時保育検索・予約サービスに加え、習い事体験保育やどこでも保育園など新たな事業を展開している。

Image credit: grow&partners

これまでに、JR 東日本との協業により、駅などで電車好きな子供が体験を楽しめる「駅いく」、ららぽーととの協業により、商業施設の裏側を探検・調査する体験を楽しめる「探いく」のほか、地方の保育園に子供を〝短期留学〝させ、保育士が野外での自然体験を提供する「山いく」など、さまざまなバリエーションを提供。子供が今までになかった体験を楽しめる一方、親は自由な時間を満喫しリフレッシュすることができる。

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BitQuark は、生産現場や倉庫における人員配置や在庫最適化を行う SaaS「assimee」を提供している。同社は、産業技術総合研究所(産総研)や NEC で生産活用に関する AI の研究を行ってきたメンバーを中心としたカーブアウトスタートアップだ。昨年の8月にサービスを開始し、製造業における人員配置の課題に焦点を当てている。生産現場では、作業者の数は事前にはわからないため、管理者は入荷数や目標の出荷数に基づいて、過去の実績や経験にから各作業場の人員割合を決定する。作業が完了すればよいが、未完の場合は残業が必要になる。

Image credit: BitQuark

生産現場では、暗黙知への依存、情報不足、後任者の不在などの問題に直面している。assimee を使えば、パラメータに基づいて、AI が効率的な人員配置と在庫最適化を支援する。「キャンバス」を使って倉庫内の工程を直感的に配置でき、最適化したい対象を選び、人員数を割り当てることができる。製造業や自動車関連企業を主なターゲットにしており、年間のライセンスを提供する定額課金がビジネスモデルだ。自動車部品メーカーなどに導入されており、製造物流だけでなく、他の業態にも対応する計画だ。

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