世界最大のテックイベントCES 2024参加レポート【後編】ーーモビリティの動向

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載。レポートはKDDIアメリカのサンフランシスコ拠点にてKDDI Open Innovation Fundの業務に携わる一色望氏が取材・執筆した。

KDDI Open Innovation Fundのサンフランシスコ拠点では、北米や欧州のスタートアップ企業への投資や事業連携を目的として活動しています。このコーナでは現地で発見した最新のテクノロジーやサービス、トレンドなどをKDDIアメリカの一色よりお送りします。今回は、1/9~1/12にアメリカ・ラスベガスにて開催された世界最大級のテックイベントCES 2024の参加レポートをお届けいたします。

前編に続き、後編ではモビリティ領域や、基調講演、スタートアップについてご紹介します。

一色望/KDDIアメリカ:本誌の記者。KDDIオープンイノベーションファンドのアメリカ サンフランシスコ拠点でスタートアップとKDDIの事業創造を目指し、ディールソーシング(投資先探し)と投資評価に取り組み、既存の投資先企業もサポートしながらMUGENLABO Magazineの制作に携わる。趣味は世の中のトレンドサーチと、美味しいお店巡り、旅行、ジム通い。

モビリティ:新たに発表されたコンセプト

▲Saloon(サルーン)

約4,300の総出展社数のうち、モビリティ関連の出展は600以上あり、毎年注目されているトピックの一つです。先述の生成AI搭載のモビリティ以外にも、EVや自動運転、ドローンなどで注目された展示がありました。ホンダは新たなグローバルEV「Honda 0シリーズ」のほか、Saloon(サルーン)とSpace-Hub(スペースハブ)という2つのEVコンセプトモデルを発表しました。

▲Honda 0シリーズ

その非常に未来的な外観は、参加者の目を惹きつけました。フラッグシップモデルであるSaloonは、サステナブルな素材とヒューマンセントリックなインターフェースを導入しており、2026年より量産化予定だそうです。

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個人的には、ソニーホンダのAFEELA(アフィーラ)よりもHonda 0シリーズのほうが現地では注目されているように感じました!

 

Hyundai傘下のMobisは、次世代モーション技術「eコーナーシステム」を搭載した電気自動車(EV)、Mobionコンセプトを発表しました。4つの車輪をそれぞれ自由に動かすことができることができるため、車両を横や斜め方向に簡単に動かしたり、360度回転させたりすることができます。

▲Mobion

この車に乗れば、難しい縦列駐車や、ドライブスルーの窓口や駐車場の券売機までの距離を空けすぎてしまったなど、運転を苦手とする人が陥りがちなミスも心配不要となることが期待できます。

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横向きに動く車は非常に新鮮でした!縦列駐車が不安な私にとっては画期的な技術です。

 

▲展示1

Kiaは、5つの新しい電気自動車のコレクション「Platform Beyond Vehicle (PBV) 」を発表しました。いずれも当初は商業バイヤーを対象としており、ロボタクシー、ラストワンマイル配送、大規模な物流業務などに応用できる可能性があり、展示でもその用途がアピールされていました。

▲展示2

モビリティにおいては、EVであることはもはや当たり前ですが、そのコンセプトやフォルムが一辺倒ではなく企業ごとにそれぞれ異なっていることが印象的でした。昨年は全体的に「車のエンタメ化」に焦点が当てられていたように感じましたが、今年は市場投入に向けて、現実的かつ実用的なコンセプトが出そろってきたように感じました。

▲展示3
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利用シーンがイメージしやすい展示となっていました!

基調講演でもAIの話題が席巻

イベント前から注目されていた基調講演の中でも、その話題の多くがAIに関するものでした。美容大手のロレアルは、スマートフォン上の AI を活用してユーザーの顔に適した化粧品をレコメンドするバーチャル美容アドバイザー「Beauty Genius」を披露しました。

米国小売大手のWalmart(ウォルマート)は、マイクロソフトとパートナーシップを締結し、生成AIを活用した新たなショッピング体験を構築すると発表しました。

いずれも今回が初めてのCESでの登壇となりましたが、この背景には、一見するとCESのようなイベントに登壇あるいは出展するとは思えないような業種の企業にまでAIなどの最先端技術が浸透し、人々の生活を変えていく可能性があることが示されていると思いました。

スタートアップ

例年多くの国からスタートアップが集結するCESですが、今年は過去最大の1,400社が展示を行ったそうです。例年存在感が大きい韓国のほか、今年はフランスの出展エリアが特に大きくなっていると感じました。日本からもJETROなどが出展エリアを設けており、20~30社ほどのスタートアップがブースを設け、たくさんの参加者で賑わっていました。

スタートアップブースでもやはり生成AIを活用したプロダクトが多く見られたほか、ささやき声をはっきりした自然な声にリアルタイムで変換する音声補助システムや、空気清浄ができる植物、早期の睡眠導入を助けるヘッドバンド、ジェスチャー検知ができるスマートウォッチなど、興味深いプロダクトがひしめき合うように展示されていました。

最後に

今回のCESはまさにAI一色であり、幅広い業界や領域において横断的にAIを組み込んだ商品を見ることができました。今後の生活にどれだけAIが溶け込み、私たちの生活がどれだけ変化するのか、本当に楽しみです。自分自身でも積極的に新商品を試し、新たな価値やそれに伴う課題を体験していきたいと思います。

一色
一色いかがでしたでしょうか?引き続き海外トレンドを発信していきますのでお楽しみに!

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