企業が新しい方針を発表したり、従業員の意見を集めたりする必要がある場合、E メールを使って従業員に通知する。しかし、企業が E メールを送信しても、従業員がメッセージを受け取ったかどうかはわからないため、双方向のコミュニケーションをうまく確立することができない。

ContactMonkey は、データ分析と従業員のフィードバックから、開封率や従業員の満足度を把握し、企業と従業員の社内コミュニケーションを改善する E メールツールだ。

ContactMonkey は先ごろ、ベンチャーキャピタルの Updata Partners からシリーズ A ラウンドで5,500万米ドルを調達したと発表した。注目すべきは、Updata Partners がこのラウンドで唯一の投資家であったこと、言い換えれば、ContactMonkey は1つのベンチャーキャピタルから多額の資金を得たということだ。

開封率を90％以上に高め、国際的大企業に採用

ContactMonkey の web サイトによると、イギリスのアパレルブランド Joules は、このプラットフォームによって従業員の E メール開封率を90％以上にまで高めたという。なぜこのようなことが重要なのだろうか？

Updata Partners のパートナー Braden Snyder（ブレイデン・スナイダー）氏は、声明の中で次のように述べている。

リモートワークの時代には、組織が従業員と共鳴する方法でコミュニケーションをとる最良の方法を見つけることが重要であり、Contact Monkey は強力で使いやすいソリューションで市場のギャップを埋めていると考えています。

言い換えれば、企業と従業員の間で効果的な対話を確立することが、企業文化を維持する鍵なのだ。

ContactMonkey の創設者である Scott Pielsticker（スコット・ピールスティッカー）氏は、企業が施策の推進やアンケート調査のために従業員にメールを送る場合、従業員がメールを開封したのか、メール中のビデオリンクを開いたのか等、メールの効果を知る術がないことが多いという例を挙げている。また、従業員がフィードバックしやすいわけでもないので、従業員と企業間のコミュニケーションに障害が生じ、従業員のロイヤルティにも影響し、ひいては頭脳流出につながる。

多くの組織が、従業員とのコミュニケーション方法を改善したいと考えており、社内コミュニケーションに対する大きな需要があることを目の当たりにしています。（Pielsticker 氏）

Pielsticker 氏によると、ContactMonkey は企業にソリューションを提供しようとしている。

従業員にフィードバック環境を提供、社内コミュニケーションを改善

ContactMonkey は、Gmail、Teams、Outlook などメーラーを問わず、E メールの分析に特化したバックエンドソリューションを提供する。従業員に送られたメールの開封率、既読時間、社内リンクのクリック率などを追跡すると同時に、従業員の所在地や所属部署などに応じてコンテンツを分析し、従業員がどのようなコンテンツに興味を持っているかを把握するための統計データを企業に提供する。そして、どのタイミングでメールを配信すれば開封率が上がるのか、などの統計データを企業に提供し、メールの配信タイミングを調整したり、内容を再設計したりすることで、より従業員の心に響くレターを作成することができる。

さらに、社員はメールで直接返信することができる。ContactMonkey を通じて送信されたメールには、エモーティコンによる返信、星評価、匿名フィードバックの欄が設けられており、従業員はメールを受け取った後、その欄に個人的な意見を述べることができ、企業は従業員の満足度をより迅速に把握し、フィードバックに基づいて施策を改善することができるため、従業員と企業の双方向のコミュニケーションが促進される。

匿名フィードバックは、韓国のスタートアップ Blind が実証しているように、職場の結束力を高める効果的な方法となりうる。Blind のプラットフォームは世界で900万人以上の登録ユーザを持ち、30万社以上の従業員をカバーしている。

IKEA、トヨタ自動車、KPMG と いった国際的な大企業を含む1,000社以上の顧客を持つ ContactMonkey は、今回の5,500万米ドルの調達により、国際的な事業拡大を図るとともに、特に営業・マーケティングチームの強化に重点を置いたチーム拡大を計画している。

【via Meet Global by Business Next（数位時代） 】 @meet_startup

【原文】