画商や芸能事務所の特権だったアーティスト発掘&投資、AIとweb3で民主化するEverTreasure/【MUGENLABO Café・推しスタ】

EverTreasure アソシエイトアートディレクター
ビョン・ジョンイ(Autumn Byun)氏

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

MUGENLABO Magazine編集部では定期的に開催している「スタートアップ×大手企業」のマッチングイベント「MUGENLABO Café」にやってきてくれたスタートアップをピックアップしてご紹介しています。今回は、2023年12月にILS(イノベーションリーダーズサミット)内で開催した「MUGENLABO Café」に訪問いただいた3社にインタビューしました。

本稿では、EverTreasure についてお届けします。EverTreasureは、AIによるデータ分析でアーティストの収益率を予測し、その情報をもとにアーティストと投資家をつなぎ、アーティストの芸術活動へのSTO投資を通じて、投資家とアーティストの利益共有を支援するサービスを提供しています。

K-POPの勢いは誰もが知るところですが、これが成功している背景には、韓国の大手芸能事務所が率先してスターの候補を発掘していることが挙げられます。彼らは玉石混交の中から素養のある人物を探し出し、自らコストをかけてトレーニングし、ファンダム(熱烈なファン)の醸成にも余念がありません。エンタメビジネスとは一種の賭けであり、投資活動と見ることもできるでしょう。

EverTreasureが実現しようとしているのは、エンタメビジネスの民主化です。芸能事務所しか出来なかったアーティストへの投資というチャンスを、門外漢である一般消費者にも解放してくれます。また、エンタメ以外に、絵画や造作を生み出すアーティストへの投資機会も提供します。キーワードは「コーヒー一杯分のお金で、未来のダヴィンチに投資しよう」です。
Image credit: EverTreasure

EverTreasureは今年9月にMVPフェーズを終えたばかりで、現在アーティストと投資家が繋がれるプラットフォーム「YeaTu(イェトゥ)」を準備しています。YeaTuでは、アート投資専門家、キュレーターらの助言に基づいて新人アーティストが発掘でき、韓国以外にも、アメリカ、イタリア、シンガポールなどでアーティストのグローバルな成長を支援します。

YeaTuでは、AIによるデータ分析でアーティストの収益率を予測し、アーティストの芸術活動へのSTO(トークンによる調達)を通じて、アーティストと投資家が利益を共有できるよう支援します。これまでのオルタナティブ投資には、アートそのものに投資するものが多かったように思いますが、EverTreasureは人に投資をするという点が新しいのではないでしょうか。

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