住友不動産、四条河原町にインキュベーションオフィス「GROWTH」を開設——京都市と協定、東京の企業やVCと連携促す

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左から:住友不動産関西支店長の細川隆司氏、京都市長の松井孝治氏
Image credit: Masaru Ikeda

住友不動産(東証:8830)は25日、京都・四条河原町エリアに「GROWTH 京都河原町」のプレオープンイベントを開催した。同社は、アーリーステージのスタートアップや起業家向けのインキュベーションスペースとして、東京都内では数カ所の GROWTH をオープンしている。家具や内装を低コストで提供することでスタートアップの初期投資を抑え、ビジネスマッチングの場を設ける点に特徴がある。

4月1日に正式オープン予定のこの施設は、関西で初めての GROWTH となる(同日に大阪・中之島にもオープン予定)。GROWTH 京都河原町は「京都から世界に羽ばたくスタートアップを生み出す」ことをコンセプトに掲げているという。京都市は市内に新規進出する企業に最大2,000万円(市内居住の雇用者1人につき年間20万円×2年分)、コワーキングスペースなどを利用して京都市内に試行的に立地する企業に最大50万円(実額の2分の1を補助)などの補助金制度を設けており、こうした制度の活用も入居候補者に促す。

京都には若い才能が集まる有名大学が多数あり、大学発ベンチャーの件数でも全国2位と魅力的な地域だ。京都はものづくりベンチャーが一方で、ものづくりベンチャーにとっては、量産化の前に資金が尽きる「死の谷」問題がある。ベンチャー投資の8割近くが東京に集中しているが、そんなリスクマネーの一部を京都に呼び込み、スタートアップの支援に繋げたい。(住友不動産ビル事業本部グロースサポート事業部部長の藤島正織氏)

住友不動産ビル事業本部グロースサポート事業部部長の藤島正織氏
Image credit: Masaru Ikeda

このような考えから、住友不動産では同日、多様な人材、スタートアップ、ベンチャーキャピタル等の交流促進を目的として、京都市と連携協定を締結した。協定に基づき、同社は施設を拠点に、イベントの開催や首都圏企業・ベンチャーキャピタルの京都進出支援、起業家の発掘・育成を通じ、京都発のスタートアップエコシステム形成を後押ししていく方針だ。入居にあたっての賃料は安価に設定されており、会員は東京の GROWTH も利用できる。また、スタートアップエコシステムに貢献するイベントは無償で開催できる。

京都市長の松井孝治氏は先ごろ、「世界に突き抜ける京都」を公約に掲げ市長に当選したばかりだ。若者の力を結集して街の活性化を図ることを強調し、スタートアップ支援の拠点が、京都の商業の中心地・河原町交差点に開設されることで、若者の新しいビジネスアイデアを東京など全国に発信できる環境が整うことをうれしく思うと期待を込めた。

京都には144万人の住民のうち15万人が学生と、将来を担う人材が集まっている。しかし、学生は卒業後、その83%が市外に転出している。京都にあるポテンシャルを生かせていない現状を打破したいと思っている。この拠点を最大限に活用し、ここから日本初、世界初の革新的なベンチャーが次々と生まれることを願っている。市としても全力でサポートしていく。(松井氏)

「GROWTH 京都河原町」が入居する「KYOTO KAWRAMACHI GARDEN」
Image credit: Masaru Ikeda

住友不動産関西支店長の細川隆司氏は、次のようにコメントした。

住友の起源は京都の薬屋だった。ここで新たな事業が芽吹くことに感慨深い。GROWTH 河原町が入居するこの建物は、かつて、東京の新宿などを凌ぐ高い賃料で話題になったことがあるが、今後はスタートアップの革新的な拠点として新たな価値を生み出す場所にしていきたい。地元の皆様のご支援があってこそ実現した。皆さんと共に京都を盛り上げていきたい。(細川氏)

プレオープンイベントの後、京都市都市経営戦略アドバイザーを務める、早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄氏がファシリテーターを務める「KYOTO Innovation Studio」の Session Vol.8 イベントが開催された。このイベントで話された2つのセッション「仕込んだ後は、信じて待つ1? 発酵に学ぶ人的資本経営」「お寺運営とスタートアップ経営 どっちが大変??」の模様は後日、文化放送「みらいブンカ village 浜松町 Innovation Culture Cafe(毎週火曜日19:00~21:00 または radiko で聴取可能)」で放送される予定だ。

Image credit: Masaru Ikeda

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