台湾発のゴルファー向けスーパーアプリ「Golface」が2.4億円を調達、日本に加え北米進出へ

ゴルフ市場に特化した台湾スタートアップ Golface は、Nan Fong Golf Club（南峰高爾夫球場）や FN Capital（富恩資本）の CEO Philip Hu（胡徳興）氏から5,000万ニュー台湾ドル（約2億4,000万円）を調達したと発表した。これらの新規投資家は Golface の新取締役に就任し、Golface は日本市場に加え、アメリカや東南アジア市場進出を目指す。

Golface の主な事業内容は、スコア記録を手伝ってくれる人がいないなど、ゴルフ業界の人手不足による課題をソフトウェアで解決するアプリやゴルフカートタブレットなどのサービスを提供することだ。現在、台湾全土の20近くのゴルフ場と協力関係を築いている。この基盤をもとに、Golface はリアル事業に参入し、ブランディングを強化して海外へ市場展開する。

コロナ禍を追い風に、3つのステップで世界展開を目指す

Golface の創業者で CEO の Ian Liao（廖聡哲）氏
Image credit: Golface

ゴルフの統括団体 R&A の新しいレポートによると、世界のゴルファー数は2020年から2022年の間に15％増加している。

実は韓国ドラマとゴルフブームが関係していると思います。

Golface の創業者で CEO の Ian Liao（廖聡哲）氏は、新型コロナウイルスの感染拡大がインドアスポーツを鈍化させたため、集団で集まらないアウトドアスポーツであるゴルフが発展する余地が生まれ、韓国ドラマによく登場する韓流が世界を席巻したことが、ゴルフの活況に貢献したと笑顔で語った。

ゴルフをプレーする人がますます増え、彼らにサービスを提供する能力がますます少なくなっているため、自動化と非個人化が業界の変革に必要となっており、これが Golface が設立された理由である。Golface は一見ゴルフ場テクノロジー製品のプロバイダーに見えるが、その背後にある真のビジョンはより良いゴルフ体験を提供することだ。そのため新型コロナウイルスの感染拡大当初から、Golface は3つのステップでグローバル展開を目指してきた。

1つ目は、OTA 技術（リモートソフトウェアアップデート）だ。コロナ禍において、Golface はシステムのアップグレードを支援するために日本を訪れることができず、サービス全体のスピードと効率を向上させるために OTA の研究に注力し、これが事業拡大の重要な基盤となった。

2つ目は、ブランディングだ。

ゴルフ人口は増え続けていますが、依然として少数です。世界の平均プレー人口は5％であり、台湾ですら2％でに過ぎません。この5％だけを見て、残りの95％の人々を無視することはできません。（Liao 氏）

Lian 氏はゴルファー以外にもサービスを提供したいと考え、さまざまな製品との共同ブランディングを始めたり、コンテンツマーケティングのための独自のメディア部門を持ったりすることで、より多くの人にゴルフと Golface をあますところなく知ってもらいたいと語った。

ブランディングは、3つ目のステップであるリアル事業への強固な土台となる。

（リアル事業は）音楽フェス、大規模なテクノロジー展示会、Burning Man のようなものです。私たちは、誰もがここで良い経験をし、ゴルフについてもっと学ぶことができるように、ゴルフ界のためのゴルフパーティーとディズニーランドを作りたいと考えています。（Liao 氏）

リアル事業への参入には多くのリソースが必要だが、チームはその価値があると信じており、それゆえ投資も厭わない、と Liao 氏言う。今回、出資した Nan Fong Golf Club は、コース内に屋内ゴルフ・エンターテインメント空間を創出するための十分なスペースとリソースを提供し、Golface のテクノロジーとイノベーションを融合する。これは、アジアだけでなく、世界のゴルフ体験を変えることになるだろう。

新取締役が就任、5年以内の IPO を目指す

Nan Fong Golf Club（南峰高爾夫球場）は、Rolex の世界トップ1,000ゴルフコースの一つに選ばれた。
Image credit: Golface

今回取締役に加わった Nan Fong Golf Club は、Rolex の世界トップ1,000ゴルフコースの一つに選ばれており、ベトナムとアメリカにコース資源を持つ。同社は Golface の海外進出を支援する。もう一人の新取締役 Philip Hu 氏は、経営コンサルタントかつ FN Capital の会長で、豊富な経営と資本市場の経験を持つ。彼は Golface の海外戦略と資本市場戦略の策定を支援する。

以前、台湾ゴルフコース協会理事長を務めた Wenyua Yang（楊文遠）氏も、Golface の海外進出における重要なパートナーである。

世界最大の市場である北米には2万近いゴルフ場があり、Golface の製品はアメリカ市場で高い競争力を発揮しています。（Yang 氏）

Yang 氏は Golface の製品は機能性、インターフェース設計、リモートアップデートの成熟した技術で優れた性能を備えていると指摘した。Yang 氏の支援により、北米市場における Golface の事業開発パートナーとして、同社のチームに加わることに関心を持つアメリカ PGA 会員がすでにおり、アメリカのゴルフ市場にサービスを共同販売するためのアメリカ子会社や支店の設立について積極的に話し合っているという。