CCTVが初の生成AIアニメシリーズ放映、EVメーカーHozon(Neta)がIPOへ——中国スタートアップシーン週間振り返り(2月26日~3月1日)

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CCTV(中国中央電視台)が放映を始めた生成 AI による漫画シリーズ「Qianqiu Shisong(千秋詩頌)」
Image credit: CCTV(中国中央電視台)

本稿は、Technode(動点科技)が、2月26日〜3月1日に配信した「News Feed」記事の中から主要ニュースを翻訳したものです。

ByteDance(字節跳動)、マルチモーダルデジタルヒューマン AI 製品に参入(2月29日)

ByteDance(字節跳動)は、マルチモーダルデジタルヒューマン製品(AIが生成する画像/動画製品)を含む、さまざまな AI モデルベースの製品を密かに開発していると、地元メディア「Jiemian(界面)」が引用した複数の情報筋が伝えている。

ByteDance 子会社で動画編集ツールの「CapCut」は、数ヶ月前に AI 製品開発のための極秘チームを設立したが、出来上がった製品はまだ発表されていない。

2月には、TikTok の兄弟会社 Douyin(抖音)の元 CEO Nan Zhang(張楠)氏が CapCut チームに移籍し、プラットフォームを通じて AI 生成動画分野での地位を強化しようとする ByteDance の試みの一環として、CapCut の今後の開発に力を注ぐと表明した。界面

中国 CCTV(中央電視台)、初のAIアニメシリーズを放映(2月28日)

中国の国営テレビ放送局 CCTV(中央電視台)は2月26日から、AI が作成した漫画シリーズ「Qianqiu Shisong(千秋詩頌)」を放送した。番組のパートナーである上海人工知能研究所(SAIL)が WeChat(微信)の公式アカウントで発表したところによると、この26話のシリーズは「中国の詩と AI の双方向の駆け引き」だという。

このアニメは、中国の古典的な詩からインスピレーションを得てストーリーを描いており、アートデザインからビデオ生成、ポストプロダクションに至るまで、制作の側面は中国メディアの CMG Media GPT(央視聴大模型)と Shanghai AI Lab(上海人工智能実験室)の技術によってサポートされている、と記事は述べている。このシリーズが放映開始となったのは、中国の国有資産監督管理委員会が国有企業に中国の AI 産業のレイアウトと発展を加速させるよう呼びかけた数日後のことである。上海人工智能実験室

深圳で eVTOL(電動垂直離着陸機)が初飛行(2月28日)

深圳市工業信息化局(工業情報化部)は28日、地元で開発された eVTOL(電動垂直離着陸機)の試験飛行が成功し、深圳蛇口港から中国南部の珠海九州港まで飛行したと発表した。Shanghai AutoFlight(峰飛航空科技)の自社開発機「Shengshilong(盛世竜)」を使用し、車で片道2時間半かかるところを20分でデモンストレーション飛行を行った。深圳市工業信息化局の発表によると、Shengshilong は最大離陸重量2000キロ、積載量400キロ、最大航続距離250キロを誇る。

最高速度は時速200キロで、最大5人の乗客を乗せることができる。ヘリコプターに比べ、eVTOL は安全性の向上、旅客コストの削減、メンテナンス費用の削減、騒音レベルの低減、高度なインテリジェンスといった利点があり、将来の都市航空輸送業界において重要なセグメントとなる可能性を秘めている。同路線の商業運航の可能性に関する詳細は発表されていない。深圳工信

CATL(寧徳時代新能源)出資の EV メーカー Hozon Auto(合衆新能源)が IPO へ(2月27日)

中国の電気自動車メーカー Hozon Auto(合衆新能源)は、昨年末から香港での新規株式公開の準備を進めていると報じられている。D1EV(第一電動)が26日に報じたところによると、IPO で一定額の投資や一定株数の購入を事前に約束する多くの投資家が、総額約20億人民元(約420億円)を引き受けたという。ロイターの9月1日の報道によると、Hozon Auto は、Morgan Stanley や CICC(中国国際資本)など複数の大手投資銀行と協力し、最大10億米ドルの資金調達が可能な株式上場を目指している。

Hozon は別名 Neta とも呼ばれ、中国の大手電池メーカー CATL(寧徳時代新能源)の支援を受け、昨年はおよそ127,500台の EV を納入したが、2022年と比較すると16%減少している。Weibo(微博)に2月24日に掲載された投稿(後に説明なしに削除された)の中で、CEO の Zhang Yong(張勇)氏は、コスト削減の一環として、誰がそのまま残り、誰が解雇されるかを決定するためにスタッフの名簿を見直す計画について言及した。第一電動

NIO(蔚来)のバッテリー交換ステーション、デンマークで電力消費のピークシフトを促進(2月26日)

中国の EV メーカー NIO(蔚来)のバッテリー交換ステーションは、デンマークの仮想発電所パイロットプログラムの一環である。蓄電システムと組み合わせた EV 用バッテリーの充電装置は、最近、バッテリーからの放電を開始し、ピーク需要時間帯に給電サービスを提供している。NIO のシニアバイスプレジデント Fei Shen(沈斐)氏は25日、Weibo(微博)でこの情報を明らかにした。

このような動きは、負荷ピークのバランスをとることで安定した送電網を確保することができ、各バッテリー交換設備は「数万ユーロ」とされる収益を生み出しており、これらの資本集約的な資産を売却する可能性がある、と Shen 氏は付け加えた。NIO は2月22日現在、デンマーク、ノルウェー、ドイツを含むヨーロッパ5カ国で39カ所の交換ステーションを運営している。中国での交換ステーション網は、12月31日現在の2,316カ所から、今年中に少なくとも1,000カ所を追加して拡大する計画だ。沈斐氏

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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