4月15日~4月19日に公開された韓国スタートアップの調達のうち、調達金額を開示したのは12件で、資金総額は1,354億ウォン(約155億円)に達した。
企業名 | 産業分野 | 調達額 | ラウンド | 投資家 |
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Bizplay (비즈플레이) |
デジタル経費支出管理ソリューション | 30億ウォン(約3.3億円) | Yanolja | |
Paradigm Shift (패러다임시프트) |
ママのためのソーシャルメディア | 4億ウォン(4,400万円) | シードブリッジ | Base Investment、ソウル大学技術持株 |
Upstage (업스테이지) |
AI | 1,000億ウォン(約110億円) | シリーズB | SK Networks、KT、KDB韓国産業銀行、新韓ベンチャー投資、Hana Ventures、Mirae Asset Venture Investment、IBK韓国中小銀行、SBVA、Primer Inc.、Company K Partners、Premier Partners |
Adler (아들러) |
3Dエンジン開発会社 | 5億ウォン(約5億円) | シードブリッジ | Kakao Investment |
Daan Biotherapeutics (다안바이오테라퓨틱스) |
バイオ | 非公開 | 助成金 | Scale Up TIPS |
Persona AI (페르소나에이아이) |
AI | 非公開 | プレIPO | Mirae Asset Venture Investment、KB証券、韓国投資パートナーズ |
Nextcnc (넥스트씨앤씨) |
B2B社内カフェ | 非公開 | M&A | Wefun |
HEPS (햅스) |
水素燃料電池 | 12億ウォン(約1.3億円) | シリーズA | Anda Harim全北江原全州地域革新ファンド、Smart Anda-Autech Carrier Green New Deal Fund |
The Good System (더굿시스템) |
半導体パッケージ用放熱基板 | 70億ウォン(約7.7億円) | Mirae Asset Venture、BSK Invest、Timefolio Asset Management | |
Shuny Tech (슈니테크) |
水産養殖技術 | 2億ウォン(2,200万円) | シード | Kingsley Ventures |
Diende (디엔데) |
日本漫画プラットフォーム | 非公開 | プレシード | The Ventures、Kingsley Ventures |
Style Bot (스타일봇) |
AIファッションスタイリングサービス | 非公開 | Idea Bridge Partners | |
Ettifos (에티포스) |
V2X(車載通信基盤) | 80億ウォン(約8.8億円) | シリーズA | LB Investment、KDB韓国産業銀行 |
CC Media Service (씨씨미디어서비스) |
温室効果ガス排出量ソリューション | 非公開 | シリーズB | KB証券、BNK投資証券、Hi投資証券、Kakao Pay証券 |
Uncommon Home (언커먼홈) |
ヘアケアブランド | 非公開 | プレシリーズA | Base Investment、Mashup Ventures |
Halfmore (하프모어) |
フィンテック | 15億ウォン(約1.7億円) | プレシード | Draper Associates、Krew Capital |
ゴイ葬儀研究所 (고이장례연구소) |
ワンストップ葬儀サービス | 25億ウォン(約2.8億円) | プレシリーズA | Fast Ventures、Kakao Ventures、韓国信用保証基金 |
Apollon (아폴론) |
連続血糖測定器 | 23億ウォン(約2.5億円) | プレシリーズA | KB Investment、Stick Ventures、Be High Investment、ミレ化学技術持株 |
Glorang (글로랑) |
AIタレントテック | 非公開 | シリーズA | TBS |
MoReturn (몰리턴) |
貸金サービス比較 | 非公開 | The Ventures | |
Tessa (테사) |
アートテックプラットフォーム | 88億ウォン(約9.7億円) | シリーズA2 | キウム証券、教保証券、Eco Investment Partners |
The Sleep Factory (더슬립팩토리) |
いびき、睡眠時無呼吸管理 | 20億ウォン(約2.2億円) | シリーズA | SBVC |
Hire Diversity (하이어다이버시티) |
外国人留学生プラットフォーム | 10億ウォン(約1.1億円) | シード | Stone Bridge Ventures、Infobank |
Rovers Company (로버스컴퍼니) |
農業IP | 5億ウォン(5,000万円) | シード | 韓国投資アクセラレータ、Byucksan、Haatz、Antler Korea |
Minish Technology (미니쉬테크놀로지) |
メドテック | 40億ウォン(約4.4億円) | Robot and Design | |
BioSolvix (바이오솔빅스) |
動物代替試験 | 非公開 | Dt&CRO | |
OVERMAPS (오버맵스) |
家電サブスク | 非公開 | Impact Square | |
SIJE (시제) |
衣料供給ネットワークデジタル変換 | 20億ウォン(約2.2億円) | プレシリーズ? | Odastone Investment、個人投資家 |
主なスタートアップ投資
- AI 企業の Upstage(업스테이지)が1,000億ウォン(約110億円)を調達し、累積調達額が1,400億ウォン(約160億円)に達した。企業文書および非定型データデジタル化ソリューション「Document AI」と独自の事前学習大規模言語モデル(LLM)「SOLAR(솔라)」を提供している。調達した資金でグローバル生成 AI 市場に進出する。
- アートテックの Tessa(테사)が88億ウォン(約9.7億円)を調達した。グローバルブルーチップ作品(豊富に出回っている有名アーティストによる作品)に彫刻投資(分割投資)できるプラットフォームを提供している。彫刻投資を超え、さまざまな資産を証券化する STO 市場のリーダーへの成長を目指す。
- Ettifos(에티포스)が80億ウォン(約8.8億円)を調達した。自動運転車の核心インフラである V2X(自動車とあらゆるモノを繋げる無線通信)技術を開発し、調達した資金で海外進出を加速する。
トレンド分析
女性創業者によるスタートアップに投資が減少、本当の問題は何か?
スタートアップに流入する総投資額と投資件数が減ったことで、女性スタートアップにも影響が生じた。今年第1四半期の女性起業家によるスタートアップが調達した金額は230億5,000万ウォン(約26億円)だった。第1四半期の全調達額の2%を少し超える水準だ。100億ウォン(約11億円)以上の投資金を誘致したのは、150億ウォンを調達した AlgoCare(알고케어)わずか1社だった。これは2023年の動機と比較しては少し良い成績だ。件数は減っているものの金額が一部上昇したことから、全体的に投資環境が良くなったことがわかるが、投資を受けたスタートアップが全てアーリーステージというのは懸念すべき状況だ。
今年上半期の女性創業者によるスタートアップの調達ステージは100%アーリーステージに相当する。プリシリーズ A ラウンドが最も多いが、すべてアーリーにとどまっている。大規模調達が行われていないということは、女性創業者によるスタートアップがグロースステージに上がることができないか、レイターに入ったスタートアップが資金調達に困難をきたす恐れがあることを示唆している。
女性創業者によるスタートアップが最も頭角を示した時期は2021年と2022年だ。2021年の女性創業者によるスタートアップの調達総額は前年比で176%増加し、最大の成長を見せた。2021年にユニコーンになった Kurly(컬리)を筆頭に女性が強みを持つ子育て、教育、など分野で大規模な投資が出始めた。2022年第1四半期以降、投資市場が硬直し、全体的に投資が減少し、シリーズ B ラウンド以降の女性創業者によるスタートアップによる調達のニュースは目にすることが稀になった。女性創業者によるスタートアップのシリーズ B ラウンド以降の調達件数比率を年度別に比較すると、2021年17.8%、2022年8.5%、2021年7.9%と減少した。
8%(퍼센트)、地球人カンパニー生活研究所(지구인컴퍼니 생활연구소)、WASHSWAT(워시스왓)、Jaranda(자란다)、Tictoc Croc(째깍악어)、Apartmentary(아파트멘터리)、CLASSUM(클라썸)、Adriel(아드리엘)、Publy(퍼블리)など毎年投資に成功し、市場で注目されたスタートアップのフォロー調達のニュースは後続の投資ニュースは、1~2年聞こえてこない。第2の Kurly と呼ばれた「Onul Hoi(오늘회、「今日の回」の意)」を運営する Today Table(오늘식탁、「今日の食卓」の意)はシャットダウンした。設立するとすぐに40~50億ウォンを調達した BIGC(빅크)、Lemon Tree(레몬트리)などもフォローオン調達のニュースは聞こえてこない。もちろん、売上高の増加に伴い資金調達の必要性が減ったり、緊縮政策で安定した運営資金を確保できたりしたのかもしれないが、B2C のプラットフォームが多く、彼らは顧客獲得・事業拡大のための資金調達は不可欠だ。
全体的に、過去に比べて女性創業者が設立したスタートアップ分野が多様化し、調達に成功したスタートアップが増えたのはエコシステムにプラスの影響を与えている。ただし、資金調達において規模の格差があるということは、長期的な生存と関連する可能性があるという点で、これを解決するための方案や支援などが必要と思われる。
【via StartupRecipe】 @startuprecipe2
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