AIボット「ERNIE Bot」のユーザが2億人に、テック大手が世界生成AI標準を策定など——中国スタートアップシーン週間振り返り(4月15~19日)

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カンファレンス「AI Create」で講演する Baidu(百度)の共同創業者で CEO の Robin Li(李彦宏)
Image credit: Baidu(百度)

本稿は、Technode(動点科技)が、4月15日〜4月19日に配信した「News Feed」記事の中から主要ニュースを翻訳したものです。

中国のテック大手4社が米国 AI 企業と提携、国連初の世界生成AI標準を策定(4月19日)

中国の Ant Group(螞蟻集団)、Baidu(百度)、iFlyteck(科大訊飛)、Tencent(騰訊)は、OpenAI や Meta などアメリカの AI 企業とともに、生成 AI と LLM(大規模言語もでり)に焦点を当てた2つのグローバル標準に取り組み、16日に国連によって発表された。「Large Language Model Security Testing Method」と「Generative AI Talent Development Framework」の文書は、第27回国連科学技術会議で発表された。

参加した中国企業4社はいずれも独自のAI基盤モデルを展開し、活況を呈している技術を利用してビジネスを変革しようとしている。この2つの文書は、大規模モデルの分野で非営利団体が発表した初の国際基準であり、安全性評価とテストに関する世界の AI 企業間の協力を意味する。螞蟻集団

中国政府、クロスプラットフォームのスマートホームデバイス相互接続のための新しい業界標準を設定(4月17日)

中国の工業情報化部(工業和信息化部、日本の経済産業省に相当)は、国内スマートホームデバイスのクロスプラットフォーム相互接続に関する業界標準を発表した。中国情報通信技術研究院、Huawei(華為)、Oppo(欧珀)、Xiaomi(小米)、China Telecom(中国電信)、Alibaba(阿里巴巴)、Honor(栄耀)、TCL、Midia(美的)、Haier(海爾)が新規則の起草に参加した。工業情報化部の声明によると、この規格はスマートホームデバイスに対する統一されたアクセスプロセスと技術要件を規定するもので、クロスプラットフォームでのアクセスと認証を促進することを目的としている。IT 之家

Baidu(百度)の AI チャットボット、ユーザ数が4ヶ月足らずで倍増し2億人に(4月17日)

中国の検索エンジン運営会社 Baidu(百度)は17日、AI を活用した「ERNIE Bot(文心一言)」の利用者数が4カ月で2億人超に倍増したと発表、競合他社がこの分野に殺到する中、同社が AI のリーダーであると宣言した。同社はまた、ERNIE は現在、毎日2億件の問い合わせを処理していると付け加えた。

Baidu のチャットボットは、2億人のユーザが新たな成長の可能性を提供することで、同社の AI の収益化に対する自信を復活させた。Baidu の共同創業者で CEO の Robin Li(李彦宏)氏は、16日に開催された同社のカンファレンス「AI Create」で「誰もが開発者」と題したスピーチを行い、自然言語が将来的に新しいプログラミング言語として台頭するとの自信を示した。

中国サイバースペース管理局(CAC、国家互聯網信息弁公室)は3月25日、生成AIサービスのための117の大規模言語モデル(LLM)を承認した。認可の範囲は、技術の商業的応用から可能性を生み出そうと躍起になっている技術企業間の厳しい競争を示唆している。動点科技

オープンソースモデルは「ほとんど意味がない」と Baidu(百度)CEO(4月15日)

Baidu(百度)の CEO Robin Li(李彦宏)氏が、クローズドソースモデルの方がより強力な能力を持つと主張した社内メモの中で、オープンソースモデルは「ほとんど意味がない」と述べたと、中国メディアが週末に報じた。この発言を裏付ける根拠の一つとして、Li 氏はオープンソースでは「なぜパラメータがそのようになっているのか」を理解するのが難しいと主張した。

さらに重要なのは、モデルをクローズドに保つことは、「実行可能なビジネスモデル」のために極めて重要だと李氏は述べた。

クローズドソースであることで、私たちはお金を稼ぐことができ、お金を稼ぐことによってのみ、計算資源や才能を引き寄せることができるのです。

Li 氏のコメントは、一般にオープンソース化されるモデルが増えつつある中で出てきたものだ。(財新

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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