病院のデータドリブン経営を支援するメダップ、シリーズAで6億円を調達——DNX Venturesらから

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左から:馬場敏気氏(CTO)、岡田翔氏(CFO)、柳内健氏(CEO)、藤原将志氏(セールスマネージャー)
Image credit: MedUp

病院に特化した経営支援・地域連携強化 SaaS「foro CRM」を提供するメダップは31日、シリーズ A ラウンドで6億円を調達したことを明らかにした。このラウンドは DNX Ventures がリードインベスターを務め、BEENEXT の ALL STAR SAAS FUNDとモバイル・インターネットキャピタル(MIC)が参加した。

MIC は 2019年2月のシードラウンドと2020年6月のプレシリーズ A ラウンドに続くフォローオン、DNX Ventures はプレシリーズ A ラウンドにに続くフォローオン。今回新たに ALL STARS SAAS FUND から参加した理由として、メダップ代表取締役の柳内健氏は BRIDGE の取材に対し、同ファンドが SaaS 分野における体系的なノウハウを有しているため、と語った。

メダップは MIC 出身の柳内氏らにより2017年8月に創業。2019年4月から、大病院に特化した CRM SaaS「foro CRM」を提供している。foro CRM は大病院に来訪した患者が、どのクリニックや中小病院からの紹介だったかや、疾病内容や治療内容などのデータを集積・分析することによって、患者を紹介してくれた、または、今後、患者を紹介してくれそうなクリニックや中小病院に対して、どのようなアプローチを取ればいいか、洞察を与えてくれる。

「foro CRM」
Image credit: MedUp

foro CRM はその名の通り CRM を主機能とする SaaS だが、BI ツールをはじめとした機能追加によりデータドリブンな病院経営、病院経営の DX(デジタルトランスフォーメーション)を支援するツールへと進化を遂げつつある。その開発を支えるのが、Atrae や one visa を経て、今年メダップのチームに参画した CTO の馬場敏気氏だ。柳内氏は建設業のバーティーカル SaaS で今年 IPO した Procore などを参考に、病院分野で随一の経営マネージメントツールに進化させたいと抱負を語った。

新型コロナウイルス感染拡大により、病院は新規患者を受け入れる〝営業活動〟が難しくなっている。foro CRM を使う大きな病院からは、中小病院やクリニックに対して、どんな患者なら受け入れられる、受け入れられないといった、メール配信の頻度が増えているそうだ。この分野には foro CRM の競合となり得る新事業者も参入しているが、柳内氏は foro CRM の機能がリッチなので、優位性を保って拡大していけると自信を見せた。今後は病院のみならず、病院と介護施設との連携支援などへの拡大も期待される。

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